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431.巨大リヴァイアサン

「……大きい魚、リヴァイアサンか」


 ディア達からの知らせを受けて、俺とステラ、ジェシカは船団の端に移動した。


「こちらの活動を察知したのでしょうか?」

「ありえる話ですわ。派手にやっていますもの……」


 ディアはレイアの懐でぴよぴよしている。


「ぴよ。仲間が言うには、すっごーく大きいお魚ぴよね」

「あの船――旗艦より大きいみたいなんだぞ」

「……信じられませんね」


 マルコシアスもレイアの懐に収まっている。

 彼女たちのそばにいるのは、ルイーゼだ。


「もしクラゲが少なくなったのを感じて……あたし達に横槍入れに来たんなら大事だ」

「わかってる……。まだクラゲの追い込みをやっているからな、邪魔はさせたくない」


 ナナとウッドはクラゲのほうを優先してもらった。

 こちらも中途半端にはできないからな。


 知らせを届けに来てくれたコカトリスも、海面からぴよっと頭を出している。


「ぴよぴよー?」(どうするのー?)

「どうするか聞いてるぴよね」

「追い返す。無理に討伐まではしなくていい」


 俺の言葉にルイーゼがヒューと口笛を吹く。


「はっきりしてるねぇ。エルぴよはさておいて、横にいるステラの力ならどうにかなりそーだけど?」

「わたしはエルぴよちゃんに従います。それがベストだと思いますので」

「ふぅん……? ま、あたしは海中での戦いは不得意だ。任せるよ。危なくなったら知らせろ」

「わかった。行くぞ……!」

「はい……!」

「サポートしますわ!」


 そう言って俺とステラ、ジェシカは海へと潜る。

 リヴァイアサンに向かうのだ。


 ◇


 海コカトリスの先導で海中を進む。すいーっと滑るような泳ぎのあとに俺達は続いた。


「……あれか」


 100メートルくらいだろうか、潜りながら進んだところでリヴァイアサンの姿がちらっと見えた。


「確かにデカイ……船が泳いでるみたいだ」


 そうとしか形容できないほどの大きさだ。

 あるいは……そう、ぼんやりと記憶が浮かんできた。


 シロナガスクジラの動画や恐竜の化石を見た思い出、本当にこんな大きな生物がいるのかという驚きだ。


 もちろんこの世界にもドラゴンとか大きな魔物の話は事欠かないが……リアルに見たことはない。


 間違いなく、俺が見た最大の生物だろう。


「……んん……?」


 ステラが少し首を傾げる。


「どうかしたのか?」

「いえ、あのリヴァイアサン……頭に傷があるようなのですが」

「そうなのですわ?」


 リヴァイアサンはぐるっと回る……。一直線にこちらには向かってこない。

 様子を見ていると考えるべきか。


 巨大なコイなので、一種の威厳めいたものがある。

 そう、日本だと滝登りをしたコイは龍になるんだっけ……。


「確かに頭に……傷跡があるな。バッテンというか、アザのようなものが」

「わたしもちらっと見えましたわ。それにしてもこんなに大きいだなんて……数百年生きないと、ここまでは大きくなりませんわ」

「数百年、なるほど……ん?」


 そこで俺はステラをじっと見た。

 ステラは考え込んでいる。これはアレだな、昔のことを思い出そうとしているステラだ。


 俺はピンときた。


「まさか……あの傷のある、大きなリヴァイアサンに覚えがあるのか?」

大昔に追い払った、リヴァイアサンが……?!

お礼参りかだぞ!?✧◝(⁰▿⁰)◜✧

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― 新着の感想 ―
[良い点] え?昔々の(ボコった)舎弟が挨拶に来たんじゃないんですか!?
[良い点] >巨大なコイなので、一種の威厳めいたものがある。 ずっと横○戦だと思ってたら○島戦ダブルヘッダーだった
[良い点] えっ!? 鯉はここで出てくるのか…そうか、なるほど
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