427.作戦開始
翌日。
船乗り、村の仲間やコカトリス達と一緒に港へ向かう。
コカトリスはなんか、おめめぱっちりしてるな。
昨日休んで英気を養えたのかもしれない。
「ぴよ」(なんか元気ある)
「ぴよよ!」(たぷも燃え燃え間違いなし!)
俺もコカトリス着ぐるみを着て、ぴよぴよと一緒に港を歩く……。
住人達が列をなして見物している。
目的は……先頭のルイーゼとこのコカトリス達か。
ルイーゼはふよふよ浮きながら手を振って、市民にアピールしているな。
まぁ、彼女はこの街の領主一族だから、こういうのも重要なお仕事だ。
ディアとマルコシアスはステラの胸元に収まっている。
「今日も天気は良さそうぴよねー」
「だぞ。風もないしスムーズに行きそうなんだぞ」
「頑張るぴよよ!」
「頼もしいです……!」
「よろしく頼んだぞ」
「おまかせぴよ!」
ディアがぴよっと羽を上げる。通訳として、ディアの役割は大きい。
「みんなでクラゲ撃退! ぴよ!」
◇
港から船に乗り、大海原へと出発する。
船には大きな網が乗せられているな。これで星クラゲを捕獲していく。
その網の準備をルイーゼが眺めながら、
「昨日一日でなんとか数を揃えたんだけどなー……。あとは燃やす準備、と」
「星クラゲは食べることもできますけど、量が多すぎますわ。高火力で焼かないと駄目ですわ」
ジェシカの言葉にクロウズが補足する。
「小舟を中心に港で手はずは整っています。問題はないかと」
星クラゲの海域に近づくにつれ、船上の緊張が高まるのを感じる。
解毒ポーションは用意しているが、それでも船の数で割ると数個ずつしかない。
それと突貫作戦の不安か……全てはコカトリスにかかっている。
「ぴよぴよ?」(そろそろー?)
「ぴよぴよぴよ」(ストレッチも終わったし、いつでもバッチコーイ)
コカトリスに緊張感はないな……。
ぴよぴよしてる。
「博士はあとで合流っぽいから、先に始めるぞ」
「わかった。ディア、それじゃ……」
「ラジャーぴよよ!」
ディアがコカトリスに呼びかける。
「ぴよぴよぴよぴよ!」
「「ぴよぴよぴよぴよー!」」
コカトリスの高速ぴよ語。
何を話しているかはわからないが、コカトリスの顔がちょっとキリッとなった。
どうやら海に潜る時が来ているのを認識したらしい。
「僕達もコカトリスが散開したら、海に行くよ」
「俺とナナ、ステラがフロントだな」
潜水部隊の船乗りは無理せず、中衛と後衛を任せる。
というより、連絡役に徹してくれたほうがかえって効率良さそうだし。
「海中で仕留める必要はないですわ。海面から大量に網にかければ……ですわ!」
レイアは船団の向こうで指揮を取る。正直、網の使い方や星クラゲの動きについてはぶっつけ本番に近い。
こういうとき、魔物に動じない指揮官は必要だからな。
コカトリスに気合が入ったのを見て、ルイーゼが声を上げる。
「よし、ぴよぴよ大作戦の開始だぜー!」
「「おー!」」
……博士の名前はちょっと整理するかもだぞ。
ご了承くださいだぞ✧◝(⁰▿⁰)◜✧
(色々と混ざってる)
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