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420.ぴよ説得

 会議が終わった俺は、また部屋へと戻ってくる。

 コカトリスを説得しないとな。


「ただいまー……うぉっ!」


 部屋に戻って来た俺は思わず声を上げてしまった。


 部屋の中心にウッドが座っているのだが、そこに海コカトリスが集まってこんもりしている。

 どうやら寄りかかりながら寝ているらしい。


「ぴよ……」(あったか……)

「ぴよぴよ、ぴよ……」(確かな存在感、すやー……)


 見ると子犬姿のマルコシアスとディアはテーブルの上でうとうと寝ていた。抱き合って寝ているのは本当に微笑ましい。


「ウゴウゴ、おかえりなさい」

「おかえりなさいです!」


 ララトマはコカトリスを撫で撫でしている。起きているのは彼女とウッドだけのようだな。


「ただいまです……! 凄いですね、ウッドの周りに集まって」

「ウゴ、新鮮らしいよ……木のぬくもり的な?」

「わかる気がする。皆、すやすや寝ているようだな……」


 海コカトリスは基本、陸に上がることはほとんどない。せいぜい小さな岩場や岩礁、小島程度だ。


 ウッドのような木のぬくもりは知らないのかもしれないな。


「……少しこのままにさせておくか。海コカトリスにとっても、ここは初めてだからな」


 疲れもあるかもだし。

 俺の言葉にステラが同意する。


「そうですね。会議での話はまた後ほどにしましょう……!」


 ◇


 夜に近付き、コカトリスがもぞもぞとし始めた。


「お腹が空いてくると起きますです!」


 そんなララトマはこねこねした草だんごをコカトリスの顔に近付けている。


「ぴよ……」(甘み……)

「……ぴよぅ……」(……くむくむ……)

「多分、もう少しです!」

「お、おう……」


 ちなみにディアとマルコシアスはすでに起きている。半分寝ていただけだったので、あのあとすぐに目が覚めたのだ。


「ぴよ! この通りにコカトリスにお願いするぴよね」

「ええ、よろしくお願いします……!」

「ラジャーぴよ!」

「頼んだぞ……!」

「ぴよ! おまかせぴよ!」


 それから少しして、コカトリス達がぴよっと起きる。


「ぴよ! ちょっといいぴよ?」

「ぴよよ! ぴよ!」


 それから先の話し合いがどうなのか、隣で聞いていた俺にはよくわからなかった。


 ぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよ!

 ぴよぴよぴよぴよぴよぴよ!


「な、なんです!?」


 部屋の外で待機していたらしいクロウズが飛び込んでくる。


「お話し合いなんだぞ」

「は、はぁ……」

「高速ぴよ語ぴよ。はやぴよよ」

「は、ははぁ……」

「……大丈夫だ、コカトリスと話し合いをしているだけだから」

「わかりました……。周りの者にもそう伝えます……」

「すまん、助かる」


 クロウズが部屋を出ていくと、またぴよ語でのやり取りが再開される。


 ぴよぴよぴよぴよぴよぴよ!


「……ぴよ!」(……わかった!)

「ぴよ! オッケーしてくれたぴよ!」


 リーダーコカトリスらしきぴよが一歩、前に出る。


「ぴよ!」(今後の生活、海コカトリスの戦力、人間さんの協力、作戦の適性や妥当性を考慮して、これが最善だと信じる!)

「「ぴよー!」」(おーっ!)


 どうやら話は決まったようだな。

 どのコカトリスの瞳もめらめらと燃えている。


 よし、ぴよぴよ大作戦決行だ!

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ぴよ感高めで癒されます!
[一言] 相変わらずぴよ語の情報圧縮率がスゴイ
[良い点] 高速ぴよ言語すごいな 「ぴ」「よ」があればだいたいなんとかなる!
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