表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

355/834

355.地下広場の突撃

「これがポーションがないと進めない、ということか……」

「そうですね……。運が悪いと、どうしても必要になってきます」


 ポーションの備えはある。ゴリ押しも可能だ。


 だけど俺は少しだけ考えた。

 このまま全員で突撃しなくても、ウッド達だけで倒せると思うのだ。


 それはウッドの経験と自信にも繋がると思う。


「……ステラ、ウッドとコカトリス達だけで行けると思うか?」

「毒が効かないのであれば、恐れることはありません。今のウッドとぴよちゃんのパワーなら、接近できれば倒せるはずです」


 ゲームの知識に照らしても、そのはずだ。

 あのサイズのパズルマッシュルームは驚いたが、そもそも基礎ステータスは高くない。


 今のウッドとコカトリスなら――過剰な戦力である。


「ウッド、どうする……? コカトリスと一緒に行ってみるか?」


 俺はウッドに委ねることにした。

 力は足りている。


「ウゴウゴ! 行ってみる!」


 ウッドは意気込んでいた。だけどそれだけじゃない。


「ウゴ……危なかったら、助けを呼ぶね」

「ああ、もちろんだ」


 コカトリスは……ステラがコカトリスに話している。


「……というわけで、ウッドと一緒に行って欲しいのですけど……」

「ぴよ、ぴよよー」(オッケー、キノコのために行ってくるよー)

「ぴよっぴー」(キノコ狩り〜)

「ぴよ、ぴよっぴよー」(そうと決まれば、さっそく行こー)


 羽をぴっと上げるコカトリス達。

 どうやらやる気のようだな。


 よし……俺達は飛び込めるようにポーションを用意しよう。


 あとはウッド達に任せるのだ。


 ◇


 ウッドはコカトリス達の頭をもふもふと撫でる。


「ウゴ、それじゃ行こう!」


 ウッドの言葉はわからないだろうが、コカトリスは聡明である。

 それだけでなんとなく意図を察した。


「ぴよー!」(行くぞー!)

「ぴよよー!」(もにゅり甲斐があるぞー!)


 ウッド達が通路から広場へと躍り出る。


「△○✕ーー!!」


 巨大パズルマッシュルームは舞い戻った侵入者を見下ろした。

 歩くたびにずしん、ずしんと地響きが鳴る。


 その巨体の後ろでパズルマッシュルームが毒攻撃の準備に入っていた。


「ウゴ、まずは大きなのから!」


 指差すウッドにコカトリス達がぴよっと敬礼した。

 そしてどたどたと突撃する。


「ぴよよー!!」(とりゃー!!)

「ぴよっぴー!!」(とつげーき!!)


 ウッドも遅れまいと駆け出す。

 狙うのは足。後ろに倒せば、隠れているパズルマッシュルームも一網打尽である。


「ウゴーー!!」

「「ぴよよー!!」」


 ウッドとコカトリスが前に出ると、毒攻撃が始まった。

 緑色の煙がもくもくと視界を遮る。


 しかしウッドに毒は通じない。コカトリスもあらゆる毒と精神攻撃を無効化するのだ。


「!? ✕○△ー!!」


 一直線に突撃してくるウッド達に対して、巨大パズルマッシュルームの反応がわずかに遅れる。


 その隙を逃すウッドではない。


 思いっ切り力を込めて、巨大パズルマッシュルームの足にタックルをぶちかます。


 ズシン……!!


 鈍い衝撃が巨大パズルマッシュルームを襲う。


「✕✕△ーー!?」


 そしてコカトリスも一斉に飛びかかる。


「「ぴよよー!」」(きのこー!!)


 そのパワーに耐えられず、巨大パズルマッシュルームはバランスを崩す。


 その光景を通路から顔を出したエルトとステラが見つめていた。


「おおっ、うまいぞっ!」

「そこですー! 一気に畳み掛けて……!」


 ウッドは掴みかかって、ぐぐっとすくい上げるようにした。コカトリスもウッドに力を合わせて、後ろに倒そうとする。


「ウゴゴーー!!」

「「ぴよー!」」(どっこいしょー!)


 たまらず、巨大パズルマッシュルームは他のパズルマッシュルームを巻き込むように倒される。


 ズッシーン……!!


「ウゴウゴ、どうだ!」


 かなりの勢いで倒された巨大パズルマッシュルーム。巨体ではあったが、ステータスは低い。


 それだけでパズルマッシュルームはもう、動かなくなる。


「ウゴ、倒した……!?」


 警戒するウッドに、一体のコカトリスはぴよっと羽を振る。


「ぴよー」(もう大丈夫だよー)


 もう一体は早くもパズルマッシュルームをついばんでいた。


 すでにもにゅもにゅしている。

 満足そうな顔をしながら。


 それを見て、ウッドは一安心した。


「ぴよ、ぴよー」(なかなかのもにゅり具合……)

ぴよ達の食べ頃センサーは正確なんだぞ( ╹▽╹ )


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やったー!! 過剰戦力(笑)な、ウッドくんとぴよちゃんズ凄いよ!! そう!巨人の魔物は足をヤれば倒れるだけなのだよ…フフフ… サポート待ちのお二人の姿に、ほっこりします♨ [気になる…
[一言] 更新有り難う御座います。 ウッド&コカトリス、巨大パズルマッシュルームに完勝! ……いや、完食!?
[一言] 狩りゲーでも属性や状態異常無効付けると かなり難易度が下がりますよねもにゅもにゅ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ