表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

354/834

354.巨大パズルマッシュルーム

 一方、ヒールベリーの村。


 地下通路の探索は順調に進んでいた。

 こうやって進んで行くと、空気内の魔力が増していくのがよくわかるな。


 そして今日も今日とて、パズルマッシュルームを倒していく。


「ウゴー!!」

「てやー!」


 ウッドとステラの同時攻撃でパズルマッシュルームが吹っ飛ぶ。


 さっくさくだな。

 ウッドももう手慣れた様子で、手早く倒していく。


「ウゴ、おわったー!」

「お疲れ様、ウッド」


 最近、地下探索で変わった点もある。倒し終わった後、広場を調べるとキノコが色々と生えているのだ。


 ベリーマッシュルームもかなり紅くなってきた。


「……そろそろベリーマッシュルームも本命に近付いてきたか」

「ウゴ! そうだといいな!」


 ウッドにとっては念願の素材ゲットだ。けっこう掛かったな……。


 キノコを採集したブラウンが俺に近寄ってくる。


 今回は採集のお手伝いだな。馬車に乗りっぱなしもそれなりに辛いようだ。

 なのでローテーションである。


「検査に回すキノコは取り終えましたにゃん。このまま進みますにゃん?」

「ああ、行こう」


 あとでアナリアとイスカミナにキノコを渡し、検査

してもらう。

 いきなり口に放り込むマネはしないのだ。


「……食べられそうな感じもしますね」

「そうだな。キノコは俺の魔法でも生み出せないし、何かの商売になれば……」


 そんな感じで話しながら、俺達は次の広場へと向かう。


「ぴよっー!」(よし、つぎー!)

「ぴよよ、ぴよー!」(キノコ狩りだ、すすめー!)


 コカトリスも二体、やる気満々で参加している。

 おかげでパズルマッシュルームが増えても、苦にならない。


 ……ちょっとずつパズルマッシュルームが大きくなっているが、まぁ大丈夫だろう。


 ウッドもぴよのニュアンスがわかってきたのか、腕を大きく振り上げる。


「ウゴ、負けないぞー!」


 ◇


 そうして地下通路を進み、次の広場へ……。

 光る苔で通路を照らしながら俺達は歩いていく。


「そろそろだな」

「ウゴウゴ、頑張る!」

「ええ……油断せず行きましょう!」


 通路の先、次の広場に到着する。

 順調だな。


 だが、そこで俺は驚愕の光景を目にした。


「うぉ、大きい……!」

「✕○▲ーー!!」


 広場にいたのは、天井にまで達しそうな巨大パズルマッシュルームだった。


 もはや見上げるようなサイズだ。

 ぼんやり苔に照らされ、威圧感もある。


「育ってますね、これは……!」

「でっかいですにゃん!」


 こんなパズルマッシュルーム、ゲームにいたか?

 いや……コカトリスもサイズの違いがあったんだ、他の魔物もあり得るのか。


「ウゴ……! 大きい!」

「大丈夫ですよ、これくらい……初めてですが、基本は同じはずです!」


 物理で解決、それは変わらないらしい。


「ぴよー……」(でっかー……)

「ぴよよー……」(たべであるー……)


 コカトリスも見上げてちょっと驚いていた。


「さぁ、いきますよー……っと、ヤバです! 撤退ー!」


 ステラが慌てて号令をかける。

 これまでも広場の入口にパズルマッシュルームが固まって、一時後退したことはあった。


 なので一糸乱れず、俺達は通路までダッシュで戻る。


「ぴよー!」(なんか戻れー!)

「ぴよよー!」(戻るー!)


 コカトリスもちゃんと付いてきたようだな。


 後ろを見ると……ステラが叫んだ理由がわかった。


 見づらいが、広場で緑色の煙がもくもく出ている。

 ゲームと同じなのですぐにわかった。あれがパズルマッシュルームの毒攻撃である。


 もっとも大気中に放たれると、割とすぐに無毒化されるのだが。緑色の煙が見えなくなれば安全である。


「……他の色がなくても、毒を出すのか」

「あの巨体の後ろに、他の小さなパズルマッシュルームが隠れている気配がありましたので」

「むっ……そうだったのか」


 さすがステラ。俺にはちっともわからなかったが。


「だが、そうなると厄介だぞ」


 これまでは毒を出す前に撃破してきた。

 だが巨大パズルマッシュルームの後ろに隠れている個体がいて、毒を出すとなると話は全然違う。


「おそらく毒を無視できるのは、ぴよちゃんとウッドくらいですね。わたしでも解毒のポーションは必要です」

「……だよな。ステラも毒を無効化できるわけじゃない」


 そう、つまりこれは――ポーションでゴリ押し、ウッド達だけで撃破か。

 それしか対策がないということなのだ。

ものすごく前に、状態異常を治癒するポーションなしでザンザスのダンジョンを潜るのは無理……その伏線回収なんだぞ。


あとはナナぴよの着ぐるみなら……✧◝(⁰▿⁰)◜✧


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が転生者ということくらいは覚えていたのですが 作品世界は前世のゲームに酷似している ということを久々に思い出させてもらいました しばらくのほほんとしてたのもあって忘れてました 超巨大…
[良い点] 更新ありがとうございます!! 炎や氷の魔法や電撃の麻痺・毒にも強い耐性があるコカトリス、って伏線も密かに回収された…! [気になる点] ドリアードたちの栽培技術で、不出来な作物を出荷…
[一言] 流石に解毒ポーションしみ込ませた布で マスク作って簡易防毒マスクとか作れんだろうしなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ