43話:民事事件調査依頼1
この年も、探偵業務依頼が多く、忙しかった。やがて涼しくなった2004年12月2日に、事務所に連絡が入った。それは、26歳の女性からの調査依頼で、最近、妙なインターネットメールが、自分のパソコンに、入り、おかしいなと思っているうちに、だんだんエスカレートしてきた。プライベートなことまで、あたかも知ってるかのような文章を送りつけるようになった様だ。その女子大生の部屋を伊東徹子が訪ねて、聞き取り調査を行う事にした。まず、送りつけられたメールの文面を見ると、大学のサールクで飲みに行ったこと、彼氏とデートしたことなど、3つの不振なメールが、異なる、メールアドレスから届いていた。
そこで伊東徹子が、1芝居を打ち試してみようと考えた。そして、その話を声に出して話さずに、書面で、やりとりする事にした。11月15日、彼氏とのデート、どこ行くの、山下公園へ、彼の車で行くのと書いた。次に、同じ話を日を変えて,話すことにした。11月25日、彼氏とのデート、どこ行くの港の見える丘公園へ彼の車で行くのと話した。 そして5日後、また不審メールが届き、
「11月25日、彼氏と港の見える丘公園でデートで、彼の車でモーテルへ入って仲良くするんだろ、このスケベ女め! 」と書いたメールが届いた。
これで、音声を聞いて、情報を入手してることがわかり、池野泰三をここに呼んで良いかと聞き、了解をもらい、電話で、盗聴器を発見できる装置を持ってくるように要請し、20分ほどで,到着し、その女子大生に、捜査許可をもらい、調べ始めて,15分後、電話機のコンセントに着いてる、盗聴装置が見つかった。実際に、電話してもらい、その音声を確認し、その盗聴装置を外した。引っ越してきたのは、いつかと聞くと、今年、2003年1月14日に引っ越したと答えた。これで、原因がわかったと言い、次は,犯人捜しだと、池野泰三が言った。
そして、女性大生のマンションを後にして、池野泰三の事務所へ行き、2人で、話を始め、伊東徹子が、既に、管理人について調べたところ、69歳の警備会社を退職した男性の老人。次に、マンションで独身、男性が5人にて、それぞれ、保険会社1名、商社1名、電機会社2名、自動車会社2名、小学校の教師1名だった。その後、AV関連の収集のため、池野泰三が探偵の手帳を持って、周辺のビデオ、CDレンタルの店を当たると、全員が、借りたことがあり、特に、差異はなかった。
次に自分でインターネット回線をつないでるのは、3名、商社1名、電気会社1名、小学校教師1名で、商社1名は、株投資のためにインターネットを使っていると話していた事を管理人が覚えていた。その他の人は、わからず、一応、電気会社1名、小学校教師1名をマークすることにした。数日後、管理人さんから、被害者の女性の部屋に、以前、小学校の男性教師が住んでいて、西日が暑いと苦情を言って、入居する部屋を替えて欲しいとの要求があり、彼が、昨年の12月末で、現在の部屋に移り、男性教諭のいた部屋に被害者の女性が入居したことがわかった。