38話:探偵のお仕事1
山岸弁護士事務所に、池野泰三と伊東徹子が行き、山岸さんの依頼の仕事を聞き、東京在住の医師と奥さんの離婚騒動で、奥さんから、旦那さんの医師Aさんが不倫していると言う訴えだった様だ。その他の3件は、銀行口座からの現金引き出し事件、マンションでの窃盗事件だった。まず、簡単そうな、不倫事件から行こうと言う話になった。そして、その医師の勤務先の病院の内科に、伊東徹子が患者としていって、その人が不倫するような人かどうか、見てもらうことから始めることとなった。翌日、その個人病院に伊東徹子が行き、不眠症だと言い、受診して、しばらくして。A医師の診察室に呼ばれた。
年の頃は、40歳前後で、若作りで、お坊ちゃま育ちという感じで悪い印象は、持たなかった。その後、看護婦さんがきて、脈拍、血圧、呼吸、体温をはかってと言ったとき、何か、違和感、あうんの呼吸が良すぎると、感じた。この2人何かあるというか不自然に呼吸が合ってる感じがした。看護婦さんが30~35歳位のグラマーな、男好きのする身体の持ち主だった。診察も、看護婦さんの呼吸もぴったりで、スムーズに10分ほどで、診察終了、そして、もし、眠れなくなったら、処方する薬を飲むように言われ、お酒と一緒に、飲むことだけは,駄目ですと言わ、薬は、睡眠導入剤で5日分、寝る前に飲んで下さいと言われた。
そして診察を受けた後、その情報を池野に、伊東徹子が連絡した。池野は、A医師の住所を調べ、近くで早朝待っていて、A医師の車の番号と車種を写真にとった。病院から、A医師の家まで車で、15分ほどだった。そして、看護婦さんBの出身地、今迄の経歴、現在の住所を調べた。すると、病院から徒歩10分のアパートに住んでることがわかった。そして、看護婦さんBが、あやしいと睨んだ池野が、1週間張り込み、A医師が仕事を終えて家に帰るのを張り込みして7日間、調べた所、異常がなかった。次に看護婦さんBのアパートで2週間、張り込みを開始すると、張り込み開始して4日目の水曜日、朝、看護婦さんBが、9時過ぎても、病院に出かけなかった。
そこで、池野が非番の日だと考えて、ずっと待ち続けると12時10分にジャンパーを着て大きなマスクと帽子をかぶった、おかしな格好の男性が、周りを注意しながら看護婦さんBの部屋をノックし、入った。当然、車で見ていた池野は、シャッターを押した。そして、30分位して12時40分頃に、その男がでてきて、素知らぬ顔で,早足で、病院の方向へ歩いて行った。その後を車で尾行すると、近くのコインパーキングにあるA医師の車を発見し写真を撮った。その証拠写真を、山岸弁護士事務所に持って行くと限りなく黒に近いグレーだと山岸弁護士が言った。
どうしますかと聞くと、証拠写真もA医師と奥さんを呼んで、その時に伊東徹子さんにも来ていただいて、1芝居打ちましょうと笑いながら、山岸弁護士が言った。その週の2003年5月4日・日曜日、A医師と奥さんを山岸弁護士事務所に呼んだ。午前11時頃、事務所に入り、伊東徹子を含め4人で、B看護婦の家に入る男の写真を見せると、A医師が、俺じゃないよと、しらをきった。するともう一枚、出てくる写真でも、しらを切り続け、最後に、車に乗り込むときの写真を見せると、さすがに動揺して、人権侵害だと、わめきだした。
それに対して、何も、人権侵害には当たりませんよと、山岸弁護士が冷静に言うと、おまえら、なんて、ずる賢いんだと捨て台詞を言ったが、完全に動揺していた。そして、少しして、わかったよ、別れてやると言って、奥さんに対して、だけど、B子のほうが、お前より、ずっと、やさしいし、良いカラダをしていて、献身的なんだよ、と大声を出した。更に続けて、男はな、良い女の方が好きに決まってるのだよと、捨て台詞を言って、事実を認めた。これで、事件解決。