2話:本木徹子の捜査勘の良さ
一方、、母が、伊東吾郎に、得意のソロバンを教えた。計算が正確で早いと中卒でも就職口があると言われ、中学卒業するまでにソロバン3級以上の腕前までに育て上げた。そして中学を卒業してイトーヨーカ堂の入社試験で合格して家の近くのイトーヨーカ堂に勤め始めた。そしてスーパーでの売れ残りの商品を格安で買い、苦しい生活からは脱した。やがて1970年高校卒業した徹子の所に近くの警察署の巡査部長が出向き、徹子の両親、本木善蔵と桂子の所にやってきた。
そこで、本木徹子さんを警察署に入れてくれないかと話しに来た。その理由は徹子の無類の記憶力の良さを犯人逮捕に利用したいと言う訳だ。実際に危ない場面に、でくわすのではなく空き巣、強盗などを探す時に無類の記憶力を捜査に生かして欲しいと告げた。その後、地元の警察署の巡査部長が直接、徹子さんの噂を聞きつけて警察に就職しないかと誘い徹子本人が了解して警察への就職が決まった。本木徹子は警察に就職してからも中学時代の仲間4人と仲良くしていた。
そして、新橋、上野で夕飯を食べたり喫茶店で長話をするようになった。その4人とは梅宮照子、水島祐子、飛島金次、伊東吾郎。月に1回は女同士の女子会で他の1回は4人で人生、恋、結婚、仕事など多くの話をした。本木徹子は警察に就職し最初は庶務課に配属されて書類整理や提出書類作成、調書作成を先輩について覚えてもらい、警察署のお弁当を頼んだり、いわゆる警察署員の便利屋として仕事始めた。
男性が多い職場だったので可愛がってもらい居心地は良かった。1970年4月に警察勤務を開始し最初のゴールデンウイークで旅行に出かけた所の近くで空き巣が6件起きた。警察官が空き巣された家の近所で聞き込み捜査をして30歳代位の細身の男と同年代の細身の女性が捜査線上に浮かび上がった。その2人のモンタージュ写真を作成、その写真も本木徹子にじっくり見せた。しかしパトカーに同乗して犯人が出没しそうな町内を巡回パトロールしたが犯人の姿が見えなかった。
その事件について本木徹子は、
「犯人が空き巣に入る家の条件は高齢者の家で逃げ道が確保しやすい所を狙うはずだと考えた」。
「被害のエリアは葛飾、江戸川区に集中していたので、次、足立区と考えた」。その話を巡査部長に伝えると
「この辺で細い道が多く高齢者が住んでいる場所はと考えて西新井と梅島が怪しい」とにらんだ。
そこで西新井と梅島で張り込みをしたパトカーで私服警官と2人で通りに面した店の前で張り込みを続けて2週間目、モンタージュ写真に似た女を見つけたが逃げられた。そこで私服警官を3人増やして犯人が通りそうな道の角に立たせた。