人生はマゾゲー
本日2個目のお話です!
それでは!どーぞ!
「え…え?!」
まぁ、当然そんな反応ですよね。
寧ろ、これで即OKされたらコイツのことをビッチと呼ぶことになるところだった。
「ま、まぁ…その、俺さ…家ないんだよね」
わぁ、驚いてる驚いてる。
普通、そんな反応するよね。
「だから…その…家が見つかるまで泊めて欲しいな〜 なんて…」
俺は彼女の顔色を伺う。
彼女は俯き何やら独り言を言っている様子。
まぁ、そうだよね自分を倒した奴がホームレスだなんてプライドが許さないよね…
「泊めてくれるなら家事くらいならするから…」
「え?!家事をしてくれるんですか?!」
うぉっ!凄い食いつき様だな
もしかして、お嬢様だったから家事したことないとか?
「あ、あぁ 掃除、洗濯、炊事なんでもござれだ!」
「な、なら…!いや、でも…」
あと一押しか?
「3時になったらおやつも作る「いいでしょう!」ぞ」
やったー!
異世界に来てやっと寝床確保だー!
ということでコイツの家に向かうために闘技場から出たんだが…
「すっげぇ…!」
俺の目の前には異世界と言う言葉がしっくりくる
The異世界!な風景が広がっていた。
石を敷き詰められた地面に、レンガ造りの家
空には明らかに鳥という概念に該当しないような生物がいる。
闘技場は、比較的街の中心部から離れているようで周りにはあまり人はおらず、いるのは走り回っている子供と3つ首の犬を散歩しているお爺さんくらい。
ん?3つ首?
「な、なぁ…あれって」
俺は3つ首の犬を指さしながら彼女に尋ねる。
「あぁ、アレはペット用ケルベロスですわ」
ペット用ケルベロス?!
ケルベロスってそんなお手軽なの?!
俺が驚いていることなど露知らず、彼女はどんどん先に歩いていく
「なぁ」「なんでしょう?」
「お前の家どこ?」
闘技場から出て大分歩いているのに相変わらず着く様子がない。
「ワタクシに向かってお前と言うのやめて貰ってもよろしくて?ワタクシにはシャルル・クリス・リンブルフという名がありますのよ!」
まぁ、勘当されてしまったのでシャルルという姓はないですわ と付け足す
その節は俺のせいですいません…
「じゃあ…クリスって呼べばいいのか?」
「え、えぇ…よろしくてよ」
なんか顔赤らめてるんだけど…
もしかして…照れてる?
なんて、そんな訳ないよね
「でさ、クリス」
「はい?」
「お前の家にいつ着くの?」
「そ、それは…」
そう言って黙ってしまうクリス
「どうしたんだ?」
「そ、その…歩いていくにはあと8時間程かかりますの…」
え?!8時間?!
「な、なんで?」
「それは…貴方のせいですの…」
なんで俺のせい?クリスを倒したから?
勘当されなければコッチの家に向かうことはなかった ってこと?
「いや…まさか勝つとは思わなくて」
「いえ、そうではなく…勝ち方に原因がありますの」
「え?確か、武器破壊をしたんだよな」
「それですわ!」
びっくりした…イキナリ大きい声をだすなよ。
「武器破壊がどうしたんだ?」
「ワタクシが使っていたレイピアは確かに武器ですわ。しかし、それと共に魔道具としても使っていましたの。」
そこからクリスによる魔道具の説明が始まり…
1時間後
「ということですわ!お分かりいただけたかしら?」
長かった…
ただ、話を聞き終われば確かに俺のせいだといえる理由も分かった。
纏めると、
・魔法使いの多くは杖などの魔道具を持っている
・魔法使いは1部を除いて、皆魔道具を通して魔法を使う
・魔道具がないと、魔力を魔法へと変化させる(これを具現化という)のが格段に難しくなる
で、俺がクリスの魔道具を壊してしまったからクリスは転移魔法が使えず、俺達は歩くハメになっている と。
うん、何この不運
異世界来てからロクな事がないな
魔王になろうと転移したら、勇者として召喚されていて、急に貴族のババアに喧嘩をふっかけられ、たまたま勝ったら勝ち方がマズく、あと8時間歩く必要がある…
やっぱり、何処ぞの天才兄妹が言ってただけあるな
『人生はマゾゲー』
クリスの紹介!
名前:シャルル・クリス・リンブルフ
年齢:16歳
性別:女
特徴:ナイスバディ 金髪ドリルツインテール
趣味:ぬいぐるみ集め
最後に一言:べ、別に豪のことなんて何とも思ってないのですわ!