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夢の中で
チリ一つない、真っ白な空間で少女が一人ゆっくりと歩いていた。
「また、この夢...」
しかし、その空間は夢にしては少し現実味があった。すると、あたり一面がだんだん黒く染まって少女の足元まで迫ってきた。
「い、いや!」
少しずつ、少女は黒い影に飲み込まれていき完全に姿を消した。すると先程とは逆に真っ黒に染まった空間に先程の少女と同じ顔をした黒色の服に身を包んだ少女が立っていた。
「妾に体を渡して、心の扉を開けばいいものを。もう一人の妾は頑固だな。フフ」
そう呟くと、少女は姿を消した。