40歳の元派遣社員が年老いた両親とボロ団地と一緒に異世界転移
ともしはある日団地と隣の西友ごと異世界に転移していた。
年老いた両親とともに。かくいうともしも今年で40歳の遅咲きの異世界デビューでした。
書籍化したときには高校生に改変されちゃうやつだ。
どうして異世界転移に気づきましたか?だって、周りが山とか木とか草とか山だからね。これが高知とか三重なら転移に気づかなかったかもしれないけど、千葉寄りとはいえ東京に居を構えていた俺からすれば転移なんてすぐにわかったな。
あとは、電気ガス水道は通じて、建物の近くで出会ったモンスター(犬猫のたぐいでは決して無かった)を投げられるものを投げまくって息の根を止めた日の夜に激しい筋肉痛に見舞われたことを考えれば、え?普通??そうかもしれない。でも、レベルが上った時聞こえたよ?ファンファーレの音が。
レベルが上がれば寿命が伸びたり若返ったりするかもしれないが、一緒に冒険するには年老いた両親を自宅待機させ、俺はとりまエリクサーを探すことにした。
隣に西友が転移していて、商品を持っていくと翌日在庫が復活する。だから衣食には困らないのだが、ともしの母よしえには持病があった。病院から出される複数種類の薬を毎日服用している身なのである。若い時は健康が売りで慣らしていたのだがな。たしかに風邪はあまりひかなかった。
「せっかくなら病院とホームセンターも一緒に転移しておいてくれよ」そんな愚痴をこぼしながら俺はレベリングをしつつ城に居る竜王を倒して宝物の中からエリクサーを持ち帰ってくる事を目指していた。親孝行な息子なのである。
ある日ともしが朝のレベリングを終えて、切り株に座ってペットボトル入りのポカリを飲んでいると、美少女現地人と遭遇した。おっかなびっくりで中々近づいてこない美少女のために切り株におにぎりを食べられる状態にむいて置いて午後のレベルングに出かける。切り株のところに戻ってくるとそこに美少女が。
「俺を待っていたの?」
「はい」なんと言葉が通じるのであった。
「おにぎりもっと居る?」西友のおにぎり、味はいまいちだけど。
「あれはおにぎりと言うんですか、とっても美味しかったです」
「それは良かった」微笑み合う2人。
「俺はともし、君の名前は?」
「私はヒッパカ・モルルン」
「モルルン仲間は?」
「居ます、少し遠いところに」
「ともしはあの突然現れた塔の人」頷く。
「突然現れてみんなびっくりしているの」
「あの中にともしの仲間がいっぱい?」
「いや、俺の他には年老いた両親が2人だけ」
「母ちゃんに持病があってね、竜王が持っているエリクサーが欲しいんだよね」
「エリクサーは無理ですが薬草なら」
「薬草?」モルルンが持ち物から薬草を取り出して渡してくる。
「おにぎりのお礼です」
「ありがとう」その場でモルルンと別れ、団地に帰ってきたともし。
薬草をともし母に与えた所、薬と同じ効き目があったようである。
「あ〜薬草でいいんだ」言葉も通じるものね。エリクサーが無くても母ちゃんの持病がなんとかなることがわかった途端、ともしは3日寝込んだ。緊張の糸が切れたのである。