〜 泉の前で… 〜
ここは、アラモ諸島の神官の裏にある地下迷宮。
そこで、俺とミラは戦いながらダンジョンを探検していた。
「やっ‼︎今です‼︎」
「おっりゃぁ‼︎」 ドンッ‼︎
「ふぅ〜勝ったぁ!魔石、魔石♪」 ザクッザクッ
ヨースケは、小さいナイフで手慣れた感じで魔石をモンスター(コボルト)から取り出した。
<解体スキル、鑑定スキルが1上がりました。>
「また、小さい魔石かぁ…」
「ヨースケさん初心者とは思えないくらい、攻撃するタイミングもいいし…何より魔石の剥ぎ取りが…私何度やっても慣れないのに…すごいです。」
「いやぁ〜そうかなぁ?でも、確かに慣れてきた感じは、あるかなぁ♪」
(だって、面白いくらいスキルも上がるし、そりゃ率先して剥ぎ取るよね♪しかも、スキルが上がった事により、出てくるモンスターとかミラさん のレベルと体力メーターみたいなのも見えるし。)とウキウキしながら思ってた。
「でも、結構奥まで来たと思うだけど…出てくるモンスターが、スライム、コボルト、変な蛇とかだし…さすがに微妙だよね…」(今のところLV8のコボルトとか…)ガッカリした。
「ミラ?このダンジョンって、後どれくらいあるの?」
「えっと…今…第6層だから、後4層かなぁ?」
「え⁉︎このダンジョン10層までしかないの⁉︎」
「マジか…もう少しで終わりじゃぁん…」
「でも、ヨースケさん油断しちゃダメですよ?第10層奥に、このダンジョンのボスが居て!倒さないと外に出れないんですから。」
「わかってるよ。大丈夫さ!」
(確かにミラが心配しる理由もわかるけど…確かにミラさんは、LV12だから…今の戦いでも、油断したらヤバいし尚且つボスならもっとキツい戦いにらるだろうけど…でも、ミラさんに言ってなかったけど…俺今、LV31なんだよね…)
(ん??てか俺、結構戦ったのにLV1しか上がってねぇし⁈スキル上がってる事に気をとられて気付かなかった…)
「ヨースケさん?ここら辺で1度休憩しませんか?」
「そうだよね♪さすがに、疲れたよね?」
「それもあるんですけど…家を出発してから、もう8時間くらい経ってますし、この近くに地下水が湧き出ている泉があるはずなので、そこで野宿の準備しませんか?」
「マジ⁈8時間も経ってたの⁈…全然気付かなかった…」
「じゃぁ…そうしようか♪その泉って近いの?」
「えっと〜」
ミラは地図を広げると、現在地と泉の場所を指差した。
「そこなら次の階に行くのも近いし、便利だね♪じゃあ急いで行こう!」
ヨースケ達は、泉を目指し歩き始めた。
<泉>にたどり着くまでに、複数の戦闘もありミラの顔からも笑顔が消え…辛さが感じ取れた。
「ふぅ〜」
「やっと着いたね。とりあえずミラさんは、そこで休んでて。俺水汲んでくるから」
ヨースケは泉に駆け寄り、水筒に水を汲みミラに渡した。
「ありがとう…」 ゴクッゴクッ
ミラは、いきよいよく水を飲んだ。
「ごめんね…迷惑かけて…途中から私の荷物まで持ってもらって…」
「今までこんなに長く歩いた事なかったから…さすがに疲れちゃった…。」
「何でヨースケさん疲れてないんですか?すごいよ…そんな重い両手剣持ってこんなに歩きながら闘ってるのに…」
「そんな事ないって…」
(今更…レベルが違うからステータスも全然違うとは、言えないし…)
ミラは、話をしながら、出発前に作ってたサンドイッチを取り出しヨースケに渡した。
「わぁ〜♪ありがとう!腹減ってたんだよね♪」
「ん‼︎美味〜♪♪」
「なら、良かった。そう言ってもらえると作ったかいあるよ♪」
「そんなに急いで食べなくても…機会あれば、また作ってあげるから♪」
「マジ⁉︎約束ねぇ〜♪♪」
そんな感じで、にぎやかな食事も終わり。腹も満たされ頃…
「ヨースケさん…あの…戦いとかの汗でベタベタだから…カラダを泉で流したいので…見ないでくださいね…」
ミラは、こっちを見ながら服を脱ぎ始めた。
「待て!待て⁉︎早い!早いから⁉︎心の準備のしてないし…」
俺は、心の準備が出来なかったので…震えながら耳を塞ぎ…目を閉じ…うずくまって、時が過ぎるのを待った。
トン、トン ヨースケは、肩を叩かれた。
「ヨースケさん…もう大丈夫ですよ。」
ミラは、笑っていた…
俺は、何だかドッと疲れた感じがした。
その後、俺も汗を流した。
それから少し時間がたった頃…
「まぁそんな事より、俺が見張ってるから今のうちに休んどきなよ」
「ありがとう…そうさせていただくね♪」
ヨースケは、話を逸らすのに成功した事にホッとした。
そしてミラは、<泉>近くの砂地でアイテムポーチを枕替わりにして横になり静かになった。
「ふぅ〜 寝たかな? 」
「…暇だなぁ…モンスターの居る気配ないし、とりあえず俺も座るか…」
ヨースケは砂地に剣を刺し、地面に座った。
(こんな暇な時は、ゲームがあれば時間潰せるのになぁ…)って思っていた。
その時…ミラが俺の側まで歩いて来た…
「ヨースケさん?」
「ミラさん、どうしたの?」
「こゆう所で、寝る事に慣れてなくて…すみません…ここで寝てもいいですか?」
「まぁ…そりゃそうだよね…おいで。」
ミラは、ヨースケの隣に座り、ヨースケの太ももに頭を乗せてヨースケを見た。
「なぁ⁉︎何でぇ⁈」
ヨースケは、驚き…混乱した…
「ダメでしたぁ?」
ミラが、そう言うと顔を赤くしながらヨースケを見つめ始めた…
「ダメじゃあないけど…さぁ…」
俺は、ミラの視線で感じ…恥ずかしくなり、目を合わさない様に遠くを見ながら…ミラの頭に手を置き、撫でた。
ポン、ポン、ナデナデ
「何か、そう撫でられるとホッとするなぁ」
ミラは、気持ち良さそうにし始め…俺は撫で続けた…
やがてミラは、気持ち良さそうに寝始めたから、学ランの上着をミラにかけてあげた。
それから、どれくらいたっただろうか…
ミラが寝ボケながら…
「パパ…?」
「ん?…ふわぁ⁉︎…ヨースケさん…」
「ごめんなさい!ごめんなさい…」
ミラは、動揺しながら起き上がった。
「大丈夫だよ。おはよう♪良かったちゃんと休めたみたいだね。」
俺は、笑いながら立ち上がって背筋を伸ばした。
「んッ〜〜」「はぁ〜よし‼︎」
「さぁ!休めたし、出発しようか♪」
俺は、荷物を持ち歩き始めた。
「え⁉︎待ってよ…」
ミラはヨースケの後を追いかけた。