〜 2人の決意 〜
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ミラは、神殿に戻る途中の森…そこを走った先には…
[オオオォー!!]
レッサー・デーモンは、周辺の人間を殺して屍の山の上で立ち…吠えていた。
「そ…んな…」
ミラは屍の山に横たわる…あの男の子とその母親を見つけてしまう。
「い…いやああぁ…」
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「!?」
ミラは、全身に汗をかき、ベットの上で目を覚ました。
「なんだ…夢かぁ…」
ホッとした様子でベットから起き上がる。
「そっか…昨日…私…」
ミラは昨日の出来事が脳裏に浮かんで、思い詰めた顔した。
「…こんな顔をしていては…ダメね…よし!」
そう言うと、ミラは、部屋を飛び出し台所に向かった。
パシャ パシャ
ミラは、両手いっぱいに水を溜めて顔を洗った。
「よし!…朝食の準備でもしましょう」
「…… ん…朝か…」
ヨースケは、朝日を浴びて目を覚ました。
トン トン トン
何やら下から音と美味しそうな匂いがしてきた。
「もう…ミラ起きてるのか?」
そう言うとヨースケは、寝ぼけながら音の聞こえる方に向かった。
「ミラ…おはよう…何作ってるの?」
台所には、エプロン姿で料理をするミラがいて、ヨースケは、目を擦りながらミラに声を掛けた。
グツ グツ グツ…
「あ…おはようございます。朝食です…もうすぐ出来ますので、先に座って待って下さい」
ミラは、料理をしながらヨースケに話し返した。
「わかったよ。まぁ…邪魔しても悪いし…じゃあ俺は、ちょっと外の空気を吸ってくるから…」
そう言うとヨースケは、台所を立ち去って外に出た。
「翼を使える様にしないとな…しかし…どうやって飛ぶだろう…」
強く日差しが照らす空を眩しいそうにしながら空を見上げると小鳥が二羽無邪気に飛んでいく姿が見えた。
「…とりあえず背中に意識を集中して…」
すると…パサ パサ と翼が少し動いた。
「ん!?…もう少し…」
そう言うとヨースケは、大きく息を吸い込んで肺の後の筋肉を動かす様に意識してみた…
バサ バサ バサッ
「や…やった!浮いたあああ!」
それから何度か練習して10mくらいの高さまで飛んだだろうか、その時だった…
「ヨースケさん〜〜?」
ミラの叫び声が聞こえた。
「おーいここだよー」 ドスン!!
返事を返した、その瞬間…ヨースケの集中力がプッツンと切れそのまま地面に頭から落ちた衝撃で砂煙が舞い上がた。
「グハッ…い…いてて…ゴホ…ゴホ…」
砂煙を吸い込んで咳をしながら立ち上がった
「だ…大丈夫ですか?」
心配そうにヨースケに近づいた。
「大丈夫、大丈夫…」
服に付いた砂煙を、はたき落としながら話し掛けた。
「朝食できましたよ。冷めないうちに食べましょう?」
ミラは、ヨースケの手を引っ張って家に戻った。
戻った2人は、テーブルの上に用意してあった料理の前に座った。
「おぉ〜美味そう!もう食べていい?」
部屋には、料理から食欲をそそるいい香りがして、ヨースケは思わずヨダレが垂れそうになっていた。
「そんなに焦らなくても料理は、逃げませんよ。それじゃ…食べましょうか♪」
ミラは、笑いながら言葉を返して2人は食べ始めた。
「うん!美味い!!」
ヨースケ達が食べていた朝食は、ロールパンの見た目にフランスパンの弾力を足した様な、パンとシチューの見た目と味も似てる物に細切れにした干し肉を散りばめたサラダだった。
《前も食べたのもサンドイッチだったし…異世界の料理って以外と俺が居た世界とさほど変わらないんだなぁ…》と思いながら食を進めた。
「ヨースケさん?突然どうして空を飛ぶ練習を始めたんですか?」
ミラは、食べてるヨースケに問いかけた。
「まだ、ミラに話してなかったね…とりあえずこれを見てくれ…」
ヨースケはミラに自分のステータスが書いてある紙を見せた。
「何!?このステータス…LV150?こんな…ステータス見た事ないよ…確か…王宮などを守る聖騎士団の中でもLV100以上を超えた人間は、いないと言われてるけど…それを超えてるなんて…」
ミラは、驚きを隠せない表情で話した。
「まぁ…俺もこのステータス見た時は…正直驚いたよ…でも、これには訳があって…」
その後…ヨースケは、ミラとダンジョンの出口で逸れた後に起きた出来事を全て話した。
「そんな事が…あったなんて…あり得ないよ…」
2人の空間に少しの間、沈黙が続いた…
「でも…全て本当の事なんだ…でも、俺には…今までの出来事は、何か理由があって起こした出来事なんじゃないかと思うんだ…」
ヨースケは、思い詰めた表情してミラに話した。
「な…何か理由って何よ…ヒドイ出来事ばかりじゃない…そんな出来事にどんな理由があるって言うの!!」
ミラは、涙を流しながらヨースケに怒鳴り散らした。
「ミラ…何も言わずに聞いて欲しい…俺は、この世界に来て…ミラにも出逢って…初ダンジョンにも潜り…悪の根源【魔王】にも出逢い、正直…ワクワクする事ばかりだ…しかし、俺が居た元の世界では…俺の居場所なんて何処にも無く、死んでるのと然程変わらなかった…でも!!現に今…【魔王】の力を手に入れた俺は、確かに人間では、無くなってしまったが…この力を使って、助けられる命もあると思うんだ!!あの夢で見た…出来事が…本当に起きる未来なのか分からないけれど…あんな結末にはさせたくない!その為には、この世界を回る旅に出ようと思うだ…だから、空を飛ぶ練習をしていたんだよ…」
ヨースケは、過去を振り返りながら真剣な表情してミラに話した。
「じゃぁ…その旅に私も連れてって…?何かの役には、立つはずだから…」
ミラは、不安そうな顔しながらヨースケを見つめながら問いかける。
「ダメだ!!危険過ぎる…敵がどのくらい強いのかも分からないし…それでも…一緒に行きたい?」
ヨースケは、そう言うとミラは無言で頷いた。
「分かった…じゃあミラに頼みがある!俺の修行が終わる前までに、今この世界がどんな状態なのか調べて来て欲しいんだ!」
ヨースケは、いきなり立ち上がりミラの手を取ってミラにお願いをした。
「分かった!任せて!!」
ミラも立ってヨースケを見つめ返した。




