〜精神支配〜
イブリーズは先程放った技で開いた穴を使い、地上に向かって飛んだ。
外に出たイブリーズは、上空から全身で風を浴びながら周囲を見渡した。
「手始めにそこの村でも消しに行くか。」
そう言うとイブリーズの目線に入った小さな村に向かって飛んだ…
イブリーズが向かった先は、イースト村で村人はいつも通りの平凡な時を過ごしてた。
その時であった…
「人間共、悶え、苦しむ姿を我に見せろ!ガハハハッ‼︎」
[ダーク・フレア]
呪文を唱えたイブリーズの指先から小さな黒い火の玉が現れた。
その火の玉をイースト村へ飛ばした。
火の玉はゆっくりとイースト村に向かって飛んでいき、村の中心地に落ちた…すると火玉は大きく燃え広がり、村の半分以上を焼き尽くした。
「ぎゃあああ!」「た助けてええぇ」
「いやあああ」 「や…やめてくれええええ」
村人はか悲鳴を上げながら逃げ惑っていた。
「ガハハハ!愉快‼︎人間共がノミの様に逃げ惑っておるわ‼︎」
イブリーズは焼けてる村を見て快楽に浸っていた時であった…1人の女性が泣き噦る子供に近寄って行くのが見えた。
ミラ「大丈夫?お母さんとお父さんは?」
泣く男の子にしゃがんで声を掛けた。
「う…うんん…わかんない…」
首を振り、涙をこぼしながら答えた。
ミラ「このお姉ちゃんが一緒に探してあげる。だから、ここは危ないし行きましょ?」
ミラは、男の子に手を取り立ち上がった。
「う…うん…」
男の子も涙を拭い、立ち上がりミラと一緒に歩き始めた。
ミラは…この村が混乱してる中、色々な人にこの男の子の事聞いて回った。
そして…
ミラ「村のほとんどが神殿に避難してるって言うからそこならお母さんかお父さん居るかもしれないって!行ってみましょう‼︎」
ミラと男の子は、神殿に向かって走った。
その神殿では、僧侶やシスターがケガ人の治療に追われ、至る所に親族を探す人達で溢れていた…
ミラ「人…多いね…お父さんお母さんいる?」
男の子に問いかけた。
「ん…ぅ…あ!お母あああ!」
男の子は叫びながら神殿の表を支える4本の大柱の右端にある柱へ駆け寄りそこに立っていた人に抱きつく姿が見えた。
ミラ「お母さんに逢えたんだね…良かった。」
ホットし、ミラは、男の子に向かって手を振った。
男の子は、手を振り返して母親は、頭を下げた。
ミラは、その場を離れた。
その光景を全て見ていたイブリーズは呪文を唱え始めた。
[グー・ル・ディーバ‼︎]
神殿の入り口付近の地面に魔法陣が突如と現れその魔方陣から2体のレッサー・デーモンが召喚され現れた。
[オオオォー‼︎]
レッサー・デーモンは、禍々しいオーラを放ちながら吠え、周辺の人間に襲い掛かり始め人々は、突如現れた魔物に悲鳴を撒き散らせながら逃げ惑った。
ミラは、神殿の方から遠吠えや悲鳴が聞こえてきた為、男の子の事が心配になり神殿に戻ったら無惨な光景を目にする。
ほとんどがチカラを持たない民間人だった為、神殿の至る所に屍の山が次々と出来…神殿は返り血や肉片が散らばった血の海になっていた…
「そ…んな…」
ミラは、意識朦朧としながら神殿に近寄った。
「あんなに…居た人達が…あ…⁈」
ミラはその屍の山の1つに横たわる…あの男の子とその母親を見つけてしまう。
「う…嘘…」
「い…いやああぁ…」
ミラは血で染まった地面に泣き崩れてしまった。
ミラの悲鳴がイブリーズのカラダの中で消え欠けていたヨースケに届いた。
【や…やめろ…やめろおお‼︎】
イブリーズは急に頭に激痛がはしり、頭の奥から響く様に聞こえてきた。
「誰だ‼︎…俺の頭の中に直接話し掛けてくる奴は‼︎」
イブリーズは頭を抱えながら叫んでいた。
【俺だ‼︎お前にカラダを取られたモノだ‼︎】
【俺はまだ消えたわけじゃねぇ!俺のカラダで…勝手な事ばかりやりやがって!なんで、お前はこんな酷い事ができるんだ…】
「フッ…知った事よ!人間を皆殺しにし、我が思う世界を作る為にわな‼︎」
【そんな事はさせない…か…返せよ!】
【か…返してもらうぞ…俺は、この世界に来て元の世界で出来なかった事や…今までの人生を変えられそうなんだ‼︎】
【その邪魔をするなああ!】
「だかなぁ…このカラダは俺にとってかなり都合の良いカラダだ‼︎」
「元の力と同じくらい出せるカラダはそうそうないからなぁ‼︎」
【そんな勝手しるかああぁ!】
イブリーズに取られたカラダ金色に光った。
[リミットブレイク、精神支配耐性]
「なんだ…この光は…ち…力が…ぐ…ぐあああぁ」
金色に輝くカラダから黒い球体がフワッと出て来た。
《この私が、またしても…この様な醜い姿なるとは…だが‼︎あの箱から出る事が出来た今‼︎この世界は、我の物になるのも時間の問題…しかし‼︎我に逆らった貴様は‼︎死よりも苦しい苦痛を与えてから殺してやる…覚えておくがよい‼︎》
その球体は、何処か彼方へと飛び去った。




