身についた習慣は簡単には変わりません
━━━この空気どうしたらいいの?・・・こうなったら、必殺寝返りで、えいっ!
コロコロ・・・
「お、おい!動くな!危ないだろう!」
てしっ!
赤子だからと気を使ってくれたのか、優しく止めてくれた。けれど、
━━━とりあえず、何でもいいから、服を着せてくださいぃぃぃっっ!!
素っ裸でいることに羞恥心を拭えなかった私は悶絶する代わりに寝返りした。けれど、他に打開策が見つからない。
━━━貴方は肌を見せても抵抗ないのかもしれないけれど、私は困る。とっても困る!早く!何か他は・・・あれだ!
辺りを見て、先程私の下に敷かれていた布の所へ直行した。寝返りで。
脇目も振らずに寝返りしていく私に危険はないと感じたのだろう。男性は先程のように止めようとはせず、ただじっと見ていた。
元の場所にたどり着いた私は右手でなんとか布の端を掴んで寝返りして、布を体に巻きつけた。
「ああ、すまない。寒かったか。ちょうどよかった、そのままでしばらく待っていてくれ。服と食べ物を調達してくる。」
そして、そのまま男性は出ていった。
━━━暇だし、さっきの事を考えよう。まず優先順位からいくとさっきの私の魔力が代償の半永久の浄化魔法ね。最初の頃は確かによく疲れて寝ていたけれど、最近はそこまで酷い眠気はきてない・・・という事は今の時点では、魔力に余裕があるって捉えていいんだよね?じゃあこれはもういいとして、次は私の意思で魔法が使えるか確かめよう。
うーん、でもこんな室内でできる魔法って限られてくるよね。とりあえず、光の魔法からいってみよう。 けれど、もしこの空間で起きた事があの男性に感知できる様になってたらどうしよう?小さく魔法使ってみればバレないかな・・・。
期待しつつも小心者な私は、魔法の練習を誰もいない部屋でこっそりやってみた。
━━━さっきのって呪文なのかな?普通の日本語に聞こえたけど。やっぱり想像力が鍵?
「『光』」
もし書けたら次は10時に投稿します。