ファンタジーを見ました
私の反応を見た男性は軽く目を見開いた。
「・・・・・・私の言っている事がわかるのか。早熟だな。」
━━━しまった?・・・確かに赤子の見た目して大人の言葉を理解するってまずいか。それなら理解はしているけど、10歳前後の理解力でってことにしよう。まだそこまで難しい語彙は使っていないし。
「まあいいか。親はどうした?近くにはいないようだが?」
━━━親?・・・ああ、そういえば私もここで起きてから見ていないな。一人暮らしして長いからすっかり忘れてた。・・・え?じゃあ今まで私はどうしていたの?
今まで思い出さなかった私もどうかと思うが、ここは草原と荒野の混じったような草がまばらに生えている所だ。少し離れた所には森がある。
私は首を傾げた。
「親を知らないだと?何をしているのだ、其方の親は。とりあえず、ここは危険だし、移動するか。」
男性に抱き抱えられて森の中へ入り、少し進んだ所にある大きな木の前に来た。樹齢300年程だろうか、大人5、6人で腕を広げて囲めるくらいの太さの木が目の前にあった。
「『解除』」
男性が言葉を唱えたら、なんと大きな木に穴が開いて道ができた。