準備運動の様な事をしてみました
目が覚めた。けれど、
━━━なんなのこれは?
最後に目を閉じてからどのくらい過ぎたのかわからないが、前回の風景とは違っていた。
━━━紫外線?赤外線?・・・ううん、大気?
よくわからないが、うねうねしたものが視界いっぱいに広がっていた。
最初は光線かと思ったが流動しているのを見てそれを否定した。
━━━触れないかな?動かす事はできる?
手を伸ばしてみようとするも、動かしづらい。ならば足は、とも思ったけれど、同じだった。例えるなら、まるでとても重い布団の下で体を動かしている様な感覚だった。
━━━うーん、痺れてるというわけではないけれど、動かしづらいな。動かないというわけでないなら少しずつ動かせばいづれは動くかな?
とりあえず、危険ではなさそうなので、目の前の大気の様なものは無視して体を動かす事に集中する。
手を開いたり閉じたりをしつつも、足首を曲げたり伸ばしたりしてみる。
しばらくして、幾分か動くようになったので、手を上に持ち上げてみる。
━━━え?・・・・・・え? えっと、私?よね?他に誰か近くにいそうな感じはしないし・・・。
目の前にあったのは小さく、丸々とした手だった。