『4章』 約束
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私と悠夜は家が近所同士の幼馴染で、小さい頃はいつも一緒に遊んでいた。
当時の私は今と違ってハキハキとしたしっかり者と近所でも評判の子供だった。それとは逆に、身体が弱かった悠夜は、しょっちゅう熱を出しては幼稚園や学校を休んでばかりで、そのせいで男の子の友達も少なく、私がプリントや連絡帳を家に持って行ったり、宿題を教えてあげたりと色々と手伝ってあげたものだった。
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そして・・・、そうあれは私の8歳の誕生日の夜。その日悠夜は、いつにも増して高い熱に苦しんで寝込んでいた。
なので、いつも通りに私がプリントを持って悠夜の部屋を訪れると、悠夜はベッドでハァハァ苦しみながらも、布団から手を差し出した。私が何だろうとその手の下に自分の手を差し出すと、ポロリ、と私の手のひらに、キラキラしたおもちゃの指輪が載っていた。
『えっ?これ・・・、』
『舞、お誕生日・・おめ・・で・・とう。』
『悠夜・・・。』
『いつか・・必ず・・元気な男・・に・・なって・・本物・・渡す・・から・・・、だから・・・、』
『悠夜・・・!』
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それは今でも私の心の奥に大切にしまってある私の宝物、約束の言葉・・・。
なのに、なのに!!!