プロローグ
「ここはどこ?」
気づけば森の中にポツンと立っていた。
どこ? 何? 頭の中が無数のクエスチョンマークで埋め尽くされる。
確か、学校帰りにコンビニ寄って本屋で立ち読みするという日常生活をしていたような、、
あ、あと雨が降ってきたからスーパーでビニール傘も買ったんだった。
けど、傘どこやったっけ??
そんな関係のないことまで考えてしまう。
まずはここがどこか突き止めないと。
けど、何かおかしい。
考えていくうちに気づく。
傘を買った後の記憶がうまく思い出せない。
「えっと、、、、、、、」
「、、、、、、、あ、、、、」
俺、トラックに
ヒカレタンダ、、、。
ってことはここは天国??
思ってたのと全然違うな、、、 天使とか迎えに来てくれると思った、、。
、、、じゃなくて俺、、、
シンダノ???
けど体の感覚はまだあるんだよな。
そんなことを考えていた。
そんなとき、
かすかにだが声が聞こえてきた。何だろう?
これは天使か??どんなのだろう?
死んだというのに案外考えが軽い。
しかし現実は違っていた。
「おーい、、、、バカーーーーー!!!!」
「おい!目を覚ませ!!!」
なんか聞こえる。
「起きろ!!バガ! 地球上の誰よりもバカな人間よ!!」
なんか、俺、悪口言われているの?
もう死んだんだよね、、最後ぐらいいいことあってよ、、、
「あーもーいい!」
やっと諦めてくれたか、、ふう、、よかっ、グハ!、、、
何??何が起こった?俺の死んだはずの体に何が起こった?
こんなことをするのは俺の幼馴染ぐらいしか、、、、けど ここは天国なんだよね?
って、、、 目が覚めた。
「いつまで寝てんの? バカなの? 死んだの?」
そう、俺は死んだはずなんだが、、、
目の前には幼馴染の雪の顔、周りの景色は、、、、病院?
そう、 俺は死んだんだ、、、じゃなくて生きていた。
死ぬなと神様があの世からこの世に戻してくれたのかな。
「やっぱ、あんたバカだよね? 帰り道にトラックに引かれるなんて、、、」
隣から笑い声が聞こえる。
「うるせーな!トラックに引かれたんだぞ!もうちょっと、大丈夫?とかねーの?」
すると、笑い声はたちまち消え、代わりにあわれるような眼で見てくる雪。
そんなにわかってくれたのか、、あの雪が、、今日は運の悪いことばかりだったが、少しはいいこともあるじゃないか! ありがとう 神様よ、、、
「ただでさえおかしな頭なのにもっとおかしくなったの?、、、かわいそう 、、」
隣でため息なる。 心配してくれよ!!ってツッコミを入れたいが手がうまく動かない。
「あ、そういえば、本屋で買ったミディアちゃんの最新作は??」
そうだ!ミディアちゃんはどうなったんだ??
すると、雪はだまりこんでしまった。 まさか、、、まさか、違うよね…
「ミディアさんは、、、、、残念ながら、、」
嘘だろ、、約1年待ちに待ち続けたミディアちゃんが、、、まさか、、嘘、、
「生きてました!! それも無傷です!!」
や、、、やったーーー!
トラックにはねられる時にかばっていたらしい。
「けどさ〜 なんで俺、トラックにひかれたの?」
「あー えっとね、、、運転手さん、離婚したらしくてね、、、、 その、、全然夜眠れなかったんだって、それで運転中に居眠りしちゃったんだって、、、、」
あ、、、なんかめちゃくちゃ重いですね、、
かわいそうに思えてきた。
そんなどこでもいるような2人(トラックにはあまりひかれないと思うが)だが、この後とんでもないことになるとはまだ知らないのであった。