さようなら
なくしてしまったものが、わりとすぐに大切なものだと知った。
なんの変哲もない、ただのモノだったけど、欠けてしまったその部分だけ、ぽっかりとあながあいている。
埋め合わせなんて、所詮誤魔化し。
代わりになるモノなんて、どこにもありはしなかった。
思い出さない為に、見ないようにした。
けれど、それも意味はなさなかった。
現実はどこまで行っても、事実を突きつけてくる。
忘れさせてはくれなかった。
どこか遠くに行ったところで、居る場所がかわるだけで、居場所は移らない。
晴れやかに着飾ったところで、過去の事は飾り付ける事ができない。
何をしても、何もしなくても、なくしたモノは帰らない。
どこへ行こうと、ここにいようと、なくしたモノは戻らない。
さようなら、我が愛しの○○○○よ。
雨風に打たれようと、根気強くそこに在ってくれ。
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