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プロローグ
僕には、不思議なものが見えた。
世間でいう、幽霊の類。
超能力とか、霊能力とか、そんなんじゃない。
・・・ただ、ただ。
“視力が異常に良い”
という、簡単で単純な回答。
僕がこの、僕自身の体質を受け入れるには時間がかかったものだ。
視力が良くたって、幽霊が見えるんじゃたまったもんじゃない。
僕は幽霊なんて大っ嫌いなんだから。
幽霊に毎日のように遭遇するんじゃ、僕の心臓は持たねぇ。
そんな風に、こんな体質を恨んでいた僕。
「こんな体質なんて要らない」
この言葉を
僕は
前言撤回することになる。
“僕はこの世界を愛してるよ”
そんなクサいセリフさえも、心をこめて言えるほどに
僕は、彼等に助けられたのだということを、先に説明しておこう。
濁ってばかりだった僕の世界も、少しは透明に近づいたのかもしれない。
そんな風に、この世界のだれもが考えないような事を考えては
自分自身に笑ってしまうのだ。
これは一度書かせて頂いたお話を修正したものです。
これからよろしくお願いします。