参
金髪ツインテールツリ目ツンデレロリ高飛車お嬢様
「えーと…… 光宙君?」
「………… 惣福脇」
光宙君、じゃなくて惣福脇はこめかみを押さえて小さくつぶやくように言う。
………… うん、これ以上からかうとダメだ。
何だかんだでS組まで一緒に行動することになった惣福脇と廊下を速足で歩いていると。
突然、後ろからかん高い高笑いが聞こえた。 「おっーほっほっほっほっ! そこの愚民、何か困っていらっしゃるようですわね! この女王たるわたくし、小鳥遊曙が聞いて差し上げますわ! 感謝いたしませ、おっーほっほっほっ!」
振り返ってみると、そこには金髪にツインテール、ツリ目の少女がいた。いや、幼,女?
とにかく、小さい。第一印象、小さい。 It'a small.
身長百五十九センチのあたしから見て、この少女はあたしの頭の半分より下あたりの身長だった。
………… 高校生なの? でも、小さいし。いやいや、身長は関係ないよね。
制服で確認しようと思ったけど、珍名学園の制服じゃない。高そうな淡いピンクのワンピースドレスだった。
今日、入学式だし新入生の妹とかだろうか。
「か、かわいいかわいい~。なにか迷ったのかなぁ?」
あたしが出来る最高の子ども向け笑みで、THE・優しいお姉さんオーラを出してみる。
すると、少女の顔がどんどん赤くなっていき、ぼふん、と沸騰したように真っ赤になる。
「わ、わたくしは子どもじゃありませんわぁぁぁ!」
惣福脇はというと、まるでこれに巻き込まれないような距離をとって、はぁ、とため息をついていた。
「わたくしは、れっきとした高校一年生ですわ!」
まだ湯でタコ顔の少女は、ほら、という風に生徒手帳をどこかの先の副将軍みたいに高々と差し出す。
そこには、ドヤ顔の少女の写真と高校一年生を示す文字が書いてあった。
名前はさっきの通り、小鳥遊曙さんというらしい。
「なるほどなるほど。さっきはすみませんでした」
「ふふん、わたくしは心が広いので特別に許してあげますわ!」
立ち直るの早いね。
「………… ところで、愚民。一年S組の場所がどこか分かりません?」
「あなたもですね……」
どうやら、小鳥遊さんもあたし達と同じように一年S組生徒で、ただいま絶賛迷子中らしい。
同じ学年ならタメ口でいいか、と惣福脇はタメ口になった。まあ、惣福脇は始めからそうだったけど。
果てしない廊下を歩きながら、あたしは最初から気になっていた、あることを質問した。
「あの、小鳥遊さんって」
「曙」
「え?」
「曙で良いって言ってるんですの!」
小鳥遊さんは、頬を真っ赤に染めるながら、そう告げた。
………… 金髪ツインテールツリ目ロリ少女はツンデレ。うん、ごめんなさい。
「曙だから…… あけちゃんはどう?」
「好きにしなさい」
「ありがとう! じゃあ、あけちゃんって身長何センチ?」
すると、あけちゃんがぷるぷると震え始めた。
「それは、わたくしに聞いてはいけないセリフトップワン……」
そして、バッと両手をあげて(通称、世界の中心で愛を叫ぶポーズ。命名あたし)、叫んだ。
「先ほどまでの何か良い雰囲気が台無しですわぁぁ!」
どうやら、あけちゃんは叫ぶのが好きらしい。
いや、ほとんどあたしのせいだけど。