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05 ~高貴side~

「はぁっはぁっ…」

 普段の自分の運動不足を呪ってもどうにもならないが、自分に腹が立つ。

「何だ…あいつっ」

 走りながら高貴は、今先程自分が目にした光景を思い出していた。


『ただいま…』

『あ、あら高ちゃん、今日は早かったのね…』

『?今日は家庭教師の日だから…』

『そ、そう。でもね、今日は先生来られないそうなの。ママも出掛ける用事ができちゃって…』

『そうなんだ。僕は大丈夫だから、行ってきなよ…』

『そう?じゃあ後はお願いね』

 違和感を感じたが、その時はあまり気に止めなかった。

 しかしその直後に残されていた留守電に気づいた高貴は、それを聞いて凍りついた。

『なっ!?』

 留守電からは、家庭教師の声が流れてきたのだが、いつも聞いているものとは違い、どこか甘ったるかった。

《こんにちわ、俺です。今夜、俺とドライブにでも行きませんか?これを聞いたら電話下さいね》

 母はあろうことか、高貴の家庭教師の男性とデートをするつもりらしい。

 父が単身赴任でいないのをいいことに、高貴も知らないところでこんなことが起きているなんて思ってもみなかった。

 高貴は思わず家を飛び出した。

 母の後を追おうと思ったのだ。

 そして数分後、母と家庭教師の姿を、とあるレストランで見つけた高貴は楽しそうに笑いあう彼らに茫然とした。

 高貴は、それ以上は見ていられなかった。

 だからまた走り出したのだ。

 そして、その姿を隆也が見つけた、というわけだ。


 走って走って、息が上がり苦しくなったが、先程の光景は頭から離れなかった。

 高貴は目に留まった公園に入っていき、ベンチにドサリと乱暴に腰を掛けた。


……続く


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