始まり
ある、夏の夕方・・・
陽も沈み涼しい風が体にあたる草むらで・・
私は泣いていた。
「・・・うっ、」
そこへ足音を立てて誰かが私の前に立った
ふと、見上げると・・
一人の男の子が居た
「・・・どうして、泣いてるの?」
「・・遠くに行かないと行けないから」
「それは、悲しいね。」
「・・うん。友達が出来る前に行くのは嫌なのに・・」
「・・・ふ~ん。それなら、今から僕が友達になってあげるよ!」
そう言った男の子の笑顔は眩しかった。
「・・・ありがとう。」
「どういたしまして。」
「でも・・名前知らないよ?」
「それなら、大丈夫!僕の名前は光だよ」
「・・私のなまえは・・」
名前を言おうとした瞬間、光くんがいきなり遮って言って来た
「くるみ!」
「えっ!?」
「永瀬くるみちゃんでしょう?」
「・・・なんで、名前を知ってるの?」
「くるみちゃん、よくココに来るでしょう?」
「うん。」
「僕の家がね目の前にあるから・・・いつも見てたんだ!」
それから、私は光くんと楽しく話した。
「ねぇ、くるみちゃん!」
「何?」
「願い事って叶うと思う?」
「うん」
「じゃあ、しようか?」
「えっ!?」
そう言った光くんはポケットから小さいブローチを出してきた
「・・・これを、くるみちゃんにあげる!」
「・・いいの?こんなキレイなもの?」
「うん。・・・願い事って大切なものを手ばなせば叶うって言うから・・
だから、持ってて!」
「・・・願い事って何なの?」
「・・・それは、くるみちゃんとまた、この草原で会って・・くるみちゃんと色んな事をすること!
その時僕達が高校生になってる・・。」
「叶うと良いね!」
そう言って、私達は指きりげんまんをして別れた・・。
この、約束を守るために私は頑張ってきた
苦しいことなどにめげずに・・。
そして、今 その願い事をかなえる日が来た。