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妖精物語  作者: シャチ
ダンジョンの街へ

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26/32

妖精の涙とダンジョン

 カイサルの港に着いた。

 この辺りまで来るとだいぶ温かく、過ごしやすい温度だった。海が近くはあるが、南風が吹き浪も穏やかで余り荒れないのだという。


「向こうに島が見えるでしょう? この辺りは内海といって島に囲まれた海なんです」

「へぇーホークトアで観た海とは印象が違うのはそのせいか」

「はい、せっかくですのでリアさん、一度うちにおいでください」

「そうね、渡したいものがあるからお邪魔するわ」


 フィナの家はそれほど大きくもないお屋敷だった。

 一応彼女は男爵家の娘であり、この屋敷も男爵家としての屋敷だという。


「狭い家ですが」

「屋根があれば私たちはあんまり困らないから気にしないで」

「ではこちらへ」


 そういって応接室に通される。

 しばらくするとフィナンシェの両親と女の子がやってきた。


「本当に妖精族だ! 初めて見た」

「あなた、失礼ですよ」

「初めまして。リアです。フィナさんには旅の間お世話になりました」


 ご両親も女の子興奮していた。やっぱり妖精族は珍しいらしい。


「お世話になたお礼に、フィナにはこれを上げる」

「あ、ありがとうございます」

 

 彼女に渡したのが妖精の涙。多少魔力がこもっているからお守りになる。


「あの、お嬢様もお持ちでない物を私がもらってもよろしいのでしょうか?」

「気にしないで! 実際にお世話してくれたのはフィナだから。それは妖精の涙とか人間族から呼ばれる魔石なの。お守りになるわよ」

「フィナ、さっそくネックレスにでも仕立てよう。ご利益がありそうだ」


 フィナの父親の勧めであの魔石はネックレスになりそうだ。

 いいとおもう、肌身は出さず付けているのがお守りだからね。

 私は、同意の頷きをする。


「私はこれから自由にこのあたりを見て回るつもりでいます。気が向いたらまた立ち寄るかもしれません」

「えぇいつでもいらっしゃってください。妖精族は自由気ままと聞いています。 我らの都合で束縛するわけにはいきますまい。それこそ罰が当たる」


 別に罰は当たらないけれど、そういってもらえると気が楽だ。

 たぶんフィナの妹であろう女の子がずーっと私を興味深そうに見ていたけれど、確実におもちゃにされそうなので目を合わさないで置いた。


 フィナ家の人たちと会別れ、隠蔽の魔法を使ってカイサルの町を行く。

 今日はその辺で泊まればいいので、まずはダンジョンを見てみたい。

 このあたりにもダンジョンの入り口はいくつかあると聞いているので探してみる。

 それにしてもこの町は活気がある。

 商人も多いし、町ゆく人も活気がある。なにより剣を携えた人や杖を持つ人が多い。ダンジョン探査をする人たちだと思う。

 

 しばらく人々の頭の上をゆっくり飛んでいくと、ダンジョンの入り口が見えてきた。

 石造りの入り口から下へ降りる階段が見える。

 さらに、そこには軽微と思われる騎士もたっていた。

 入ろうとする冒険者たちは何かを見せているので勝手には入れないのだろう。


「あれがダンジョンか。明日にでもこっそり入って見よっと」


 私はダンジョンが見える入り口あたりに寝床を探す。

 今まで室内でのほほんと過ごしていたけれど、ちょっとした屋根や軒下があれば私は困らないように準備してきていた。

 今日は初めて野宿となるのでちょっと楽しみだ。

 

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