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妖精物語  作者: シャチ
ダンジョンの街へ

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25/32

サイカーン共和国へ

 ゴーショに一泊した翌日は徒歩での移動となった。

 ほぼ1日でサイカーン共和国に入ることができるためだ。

 ゴーショとサイカーンは道がかなり整備されており、人通りも多く、女性が一人で歩いても安全と言われる地域だという。

 私は妖精なので飛んで移動だけれど、フィナは軽く荷物をまとめて背中に背負っていた。


「サイカーンに入ったら解散でいいわよね? 私は好きなようにいろんなところを見て回りたいのだけれど」

「せめて最初のお約束通りカイサルまではご一緒してくださいませ」

「むぅ、わかったわよ」


 まぁ、道中フィナには世話になったし、少しぐらい何かお返しをしてもと思っていたのだが、カイサルに着くまで自由はなさそうだ。

 どうせなら妖精の涙でもあげるか。ちょっと魔力を込めてあげれば多少のお守りにはなるだろう。

 街道は整備されて歩きやすく、道行く人々は軽装なものから、多くの荷物を持つものまでさまざまで、確かに人通りは多い。


「サイカーンは商業の町が多いですから、行商人がゴーショに多く向かうのです。ゴーショは人口も多いですから商売は繫盛するのですよ」

「なるほどね。だから大荷物を背負った人が多いのか」

「馬車を用立てるより自分の足でという承認が多いのもあると思います。そのほうがコストはかかりませんから」

「なんだかけち臭いわね」

「ふふふ、そうですね。サイカーンの商人たちはそうかもしれません」


 なるほど、ちょっとがめついのか。でも商人として正しいのかな? ほかの地域の人が交渉するのは大変そうだなと思う。

 1日かかると言われた移動は、半日ちょっとで完了した。

 ここはサイカーン共和国の一番端っこ、ヒラパの町。大きな商店などはないけれど、自然豊かで家々が密集している村っぽい町だった。

 森の近くまで畑が広がっていて、ここの作物がゴーショで売られているらしい。


「今日はここで一泊して、翌朝からまた移動しましょう。大体半日でハシキョにつきますよ」

「そこから半日ぐらいでカイサルの港なのね」

「はい、ここから先は家も多くて、ところどころにダンジョンの入り口も見えてきますよ」

「それは楽しみね。 でも魔物がわいてくるとかないの?」

「ありません。ダンジョン内ではあまり魔物を見ることはないと言いますよ。出るとものすごく強いそうですが」

「そうなのね」


 そんな会話をしながら私たちは今日の宿に入った。

 素朴な感じの宿で、特徴という特徴がない宿だったけれど、野菜はおいしかった。

 その日の夜から私は、魔力をちょっとずつ練り上げて妖精の涙を作ることにした。

 そんなに難しいものではないし、妖精族的には大した手間ではないのだけれど、人間族からすれば珍しい宝石だろうから、いい記念になるでしょう。

 そう思いながら私はチマチマ宝石づくりを始めました。

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