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妖精物語  作者: シャチ
ダンジョンの街へ

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24/32

神聖ゴーショ教国

 クレンダンシーを出発して5日目。

 道中多数の魔物に襲われ、それを護衛達がきれいにたたききるのを眺めながらの移動にすっかり疲れ切ってしまった。

 フェナもだいぶお疲れの様子。

 そしてようやくゴーショの中心地へと到着した。


 碁盤の目に整備された道は大本山である教会を中心として巨大な十字の通りがあり、そこからきれいなマス目状に区画整備された都市が並ぶ。

 ゾエ帝国やホークトアとは違い昔ながらのデザインの建物が並ぶが、石でできているようには見えなかった。


「コンクリートという水と混ぜると固まる砂でできているんですよ。そこに彫刻などをはめ込んで外観を整えているのです」

「消失した技術の一つってやつか、たしかゴーショでしかできない技術なのよね?」

「はい、この街並みも教国の中ではここだけですね。サイカーンあたりに行くと木造の建物が増えますよ」

「そうなのね」

「それに、裏道に入ればどこも木造の建物です。ほかの町と変わりません」

「表面だけは荘厳ってやつか」

「協会の総本山ですから見栄えは大切なのです。中央に見える大神殿以外にも周辺には多くの寺院がならんでいて、それぞれの宗派がつめていますよ」

「うげぇ同じ宗教なのに派閥があるの?」

「経典や聖書の解釈によって分かれていますから」

「人間ってめんどくさいわね。それって結局自分たちの都合がいいように解釈して利益を得てるだけでしょ?」

「リアさま。間違ってもゴーショの人間にその言葉を言わないでくださいね」


 そんなろくでもない会話をしながら今日の宿に向かう。

 ここから先、サイカーン共和国までは平和な道が続き、徒歩でも移動ができるのだそうだ。

 サイカーンは王や皇帝がいない国で、商人たちが街を切り盛りしているという。

 そして、有名なダンジョンがいくつかある。

 特にデウメダンジョンが有名。

 無数に続く地下通路にはお宝と共に魔物も出現する。

 しかも表層近くの複雑な地下空間から続くサイカーン全土に及ぶダンジョンがつながっている。

 東西南北につながるそれは冒険者たちの一獲千金の夢の場所なのだという。


「とりあえず休みましょう。ゴーショで数泊したほうが良いと思います」

「賛成~私も移動ばっかりで飽きたわ」


 宿に着けば柔らかな明かりが迎えてくれた。

 ろうそくとは違う黄色っぽい光。見たことのない照明器具が入り口にも部屋にもあった。

 そういえば、暗くなってきたというのに街の道路も明るい。


「このぼんやり光ってるのは魔法か何かなの?」

「いえ、電球というゴーショ独特の照明器具です」

「そういう照明器具があるのね」

「暖かくはなりますが、火を使わない照明なので安全なのです。街中にあるので夜でもゴーショの大通りは明るいんですよ」

「……なるほどね」


 このあたりに魔物がいっぱいいるのは、その電球のせいじゃないのかしら?

 なんだか、ゴーショ自体も闇が深そうね。


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