故郷
「ふるさと」
地元愛、ないなぁ。
片隅に追いやられ 安住の地を得た
骨をうずめるに足りてこそ 根を張れるってもんだ
棲めば都だとしたら 棄てればディストピア
おれの魂はもう あそこにはない
郷愁のかよわぬ故郷には
うしろあしで砂くらいかけてやれ
郷臭の香らぬ故郷へも
持ち帰ってやる錦もねえけどな
辺境をあてがわれ 赴いた我が身へ
強い風当たり はじめこそ やがて凪いでゆくもの
似たり寄ったりのきみと いつしかディアスポラ
おれのとなりにはもう だれひとりない
郷愁のかよわぬ故郷には
うしろがみをつかまれちゃ馬鹿を見る
郷臭の香らぬ故郷から
語り継いでやる景色もねえもんな