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神獣の愛し娘はポーション屋を追放されたので、お茶屋になりたい  作者: とまと(シリアス)


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 せっかく整えられていた髪がもしゃもしゃになるのも構わず、頭を掻きむしり続ける。よほどイライラとしているのだろう。

「あんたが来なきゃ、いつものように店は続いていたのよ。あんたが来なきゃハナが辞めることも……マチルダが変な知恵をつけることも……ダーナがおかしなことをすることもなかったのよ!」

「え?ダーナがおかしなこと?」

 聞き返すとミミリアがはっとして口を閉じた。

 もしかして、男たちを引き入れたことをミミリアは知っている?

「と、とにかく、私はあの時の自分に腹が立っているの。ほら、見えたわよ、ギルド。そしてその隣が聖騎士詰所」

 ミミリアが乱れた髪の毛を手で簡単に整え、もう片方の手で前方に見えてきた建物を指さした。

 石作りの頑丈そうな3階建ての建物には、朝早くからがっしりと体格のよい男性たちがしきりに出入りしている。それに混じってまだ体が出来上がっていない若い男の子たちの姿も見える。ああ、ファンタジー小説などで出てくる「冒険者ギルド」っぽい。イメージ通りの姿があった。

 だけれど、女の子の姿はほとんどない。ファンタジー小説だと、回復薬の魔法使いだとかビキニアーマーの戦士だとか女性も冒険者として多く描かれていたような気がする。

 そのまま建物のすぐ前まで二人で歩いていく。

「ありがとうミミリア。案内してくれて。ミミリアはどこに用事だったの?」

 お礼を言うと、ミミリアがにやぁと笑った。

「私が用があったのは、ここ」

 ミミリアが、ギルドの隣の建物を指す。たしか聖騎士詰所と言っていた。

 ギルドの建物が質実剛健だとすれば、聖騎士詰所の建物は絢爛豪華。装飾の施された白くて美しい柱が何本も経っていて、ちょっと神殿っぽい。

 聖騎士というくらいだから、神殿とかそっち系で間違えではないのかな?

 3階建てのギルドと同じくらいの大きさではあるが、吹き抜けで天井までつながってそうな外観だ。

 出入りする人はなく、入り口にかっちりと緋色の学ランのような形の制服に身を包んだ兵?騎士?2人立っている。

「そう、よかった。遠回りとかさせてしまったわけじゃないのね。じゃあね、ミミリア」

 何の用事だろう?と思ったけれどそもそも聖騎士詰所が何なのか、聖騎士って何なのか分からないことだらけだ。

 ミミリアに別れを告げ、ギルドに向かおうとした私の手首をミミリアがつかんだ。

「あんたも、こっち」

 へ?

 ぐいっと強い力で手首をつかまれそのまま、聖騎士詰所の方に引っ張られる。


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