表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神獣の愛し娘はポーション屋を追放されたので、お茶屋になりたい  作者: とまと(シリアス)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/97

35

「ディール、あなたが強くて力のある人でも……たとえそれが誰かを助けようという思いからだったとしても、力を振りかざして無理にことを進めては駄目」

 ディールがびくりとして私の手を放した。

「私は、大丈夫。店長は嘘はついていないし、無理強いもされてない」

 ……ノルマが達成できなければ借金というのは聞いてなかっただけで、嘘を言われたわけではない。私が細かい条件を尋ねなかったのだから、私のミスだ。

 ポーションの回収も、瓶の口までとあらかじめ指示されていた。達成できていなかったのなら私のミス。

 それから、今も、ディールが私を望んでいると言った時も2,3日待ってくれと言っていたし、ハナにだって意思が固まるまで待つような感じだった。無理強いはされていない。

「大丈夫だって?だが、噂では……」

 ディールがちらりと店長を見る。

 店長が身を固くしている。よほどディールのことが怖いんだろうか。

 体は大きくて強そうだけれど、悪い人じゃないよ?

「私がこの世界……この街に来て生きていられたのは店長のおかげだわ。この3日、安全に寝るところと食べる物が得られた。そのお金も払わずにここを立ち去れば、私は恩を仇で返す人間になってしまう」

 店長がすかさず言葉をつづける。

「そ、そうです、私は慈善事業をしているわけではありません。それに犯罪者でもありません。まっとうに店を経営しているだけです」

 チッとマチルダが小さく舌打ちをする。

 そうだよね。嘘はついてない、無理強いはしていないとはいえ、無理なノルマを課して借金まみれにして逃げられないようにするのは「まっとう」と言い難い。

 でも、お金がなかった私に宿とパンを提供してくれたのは事実だ。

 宿に1泊するのにいくらかかるのかパンはいくらなのかは分からないけれど。少なくとも怪しい金もない人間を泊めてくれる宿などどこにもないだろう。

 助かったのは事実だ。この3日間生き延びられたのはここのおかげで間違いない。

「か、金なら俺が払う」

 ディールがお金を取り出そうとした手を抑える。

「大丈夫。借金は自分で返せます」

 ディールがハッとした表情を見せる。

「あ……俺は別にその……」

「分かっています。私が無能で自分で借金を返せないような人間だと見下してお金を出そうとしたわけじゃないですよね。助けてくれようとした。だけれど……私は助けてと頼んでない。いくら助けられる力があって、助けたいと思っても手を貸し過ぎることがその人のためになるとは限らないんです」

 転んだ子供にいつも手を貸してばかりではだめっていうよね。立ち上がるまで見守ることも必要だと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ヒロインの言うことがおかしい。 作れば買い取ると言いつつ恣意的に品質基準を上下させているのだから嘘もついているし、無理なノルマはすなわち無理強いしているということ。 たったパン3つと裏…
[気になる点] https://ncode.syosetu.com/n0228gy/34/ ・店長はノルマを達成させたくないのよ。 ・だから、達成できてないフリをしてるのよ。 これは立派な詐欺的…
[気になる点] 「追放された神獣」なのか「追放された愛し娘」なのか 普通に考えると前者ですけど、今までの展開からすると後者かも??? [一言] 悪党(和式仏教用語では「善人」)は、こういう対応すると…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ