まなぶぅの物語
まなぶぅは小さな子ブタさん。
まなぶぅは物語が大好きです。
まなぶぅの兄弟姉妹はみんな物語が好きで、それぞれ好きなジャンルが違いました。
上のお兄ちゃんは、冒険物語が好き。
下の弟は、童話が好き。
上のお姉ちゃんは、恋愛ものが好き。
下の妹は笑える、コメディーが好き。
まなぶぅの好きなジャンルは……全部!
ぜーんぶが大好きでした。
まなぶぅは今日も、新しい物語を借りに図書館へ走ります。
「まなぶぅ、待ってよ。待ってー」
リスのロッテが声を掛けてきました。
「ロッテ! これから図書館に行くけど、キミも?」
「ええ、そうよ」
二人は、図書館まで駆けっこの競争をすると、ピタリと止まり、静かに静か~に図書館の扉を開けました。
「いらっしゃい。まなぶぅにロッテ。図書館では静かにね」
フクロウの司書のお姉さんが受付で座っていて、二人に声を掛けました。
図書館では、たくさんの人が静かに、好きな物語を読んでいました。
まなぶぅが怪獣と少年の物語を読んでいると。
「聞いて、わたし物語を書いているの」
「へえ、見せて見せて!」
反対側の本棚から、ウサギの双子の声が聞こえました。
ラウとウララでした。
まなぶぅの小さなお耳がぴくんとそちらに向きます。
「ラウ、ウララ!」
小さな声で、まなぶぅは呼びかけます。
「まあ、まなぶぅ。こんにちは」
「どうしたの?」
本棚を挟んで、声のやり取り。
何だか、物語の中みたいでした。
「物語って、書けるの?」
「ええ、そうよ。お話を作ることは自由ですもん」
まなぶぅはびっくりしました。
物語は、特別な人しか作れないものばかりだと思っていたからです。
「ラウ、お願い。ぼくにも、物語の作り方教えて!」
思わず興奮して、大きな声を出してしまったまなぶぅ。
見回りに来ていたフクロウのお姉さんに注意されてしまいました。
家に帰った、まなぶぅは画用紙いっぱいに覚えたての字を書きます。
ラウは色んなことを教えてくれました。
「わたしはね、紙にね文字を書いているの。それで物語は出来るの」
まなぶぅは、大好きな怪獣が、特別な宝石を見つける冒険物語を書こうとしました。
けれど……。
あれれ?
「いっぱいお話が頭の中浮かんできて、困ったな……」
まなぶぅの物語の中の怪獣は、火山の島に行ったり氷の島に行ったり……。
なかなか宝石を見つけることが出来ません。
「ごちゃごちゃになっちゃった……」
まなぶぅは泣きそうになりました。
物語を作るのって思ったより大変です。
まなぶぅの頭の中では、物語は出来ているのに、なかなか文章にすると上手くいきません。
「お兄ちゃん……」
まなぶぅは困って、上のお兄ちゃんに相談しました。
「ぼく、物語を書いているの」
「へえ! すごいじゃないか」
「でもね、なかなか出来ないの」
「どれどれ」
上のお兄ちゃんは、まなぶぅの画用紙を見ると、
「よく出来ているよ」
と褒めてくれました。
「怪獣さんは、宝石を見つけたいんだろう?」
「うん!」
「氷の島から、キラキラした宝石を見つけるお話だけにしたらどうだい?」
「う―ん……」
まなぶぅはちょっとだけ不満でした。
「じゃあ、こうしたらいいわ」
上のお姉ちゃんがひょっこり顔を出して言いました。
「みんなで考えましょうよ!」
「みんなで?」
面白そう! とまなぶぅは思いました。
上手く考えがまとまらなければ、みんなで考えてみるのもいいかもしれません。
上のお姉ちゃんと上のお兄ちゃんは一生懸命まなぶぅの物語を考えてくれました。
まなぶぅも一生懸命考えて、画用紙たくさんに物語を書きました。
こうして、まなぶぅだけの物語は出来上がりました。
まなぶぅは、それをロッテやラウにウララにも見せました。
みんながまなぶぅの物語は「面白い!」と褒めてくれました。
やがて、まなぶぅはたくさんの物語を書く、作家さんになったと、さ。
何だかひどく迷走してる童話となりました
書きたいことが、まなぶぅじゃあないけれどごちゃごちゃです。
_| ̄|○
↑の状態の作者。
でも、作品として、読んで頂ければ嬉しいです。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。