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第7話 いざ、ウィーレ村魔法学校へ! ~編成、臨時班!~

 俺は、クラーク班長に軽く挨拶を済ますと、呼び出された部屋へと向かった。

 怪我人はまだ、班へと合流できないのだ。

 俺は入って手前の席に腰をかける。すると、後方から

 「3等兵じゃない?」

 そう、声をかけられた。

 

 まさか!、

 「あんた、生きていたのか?!よ、良かったっ!あんときはすまねぇ、てっきりもう助からないかと…。」

 カテリア攻略作戦の時に、てっきり死んだと思っていた女性だった。


 「気にしないでよ、私だってもうだめだって思ったからね。それに、ちゃんと逃げずにリヴィのところに行ったみたいだしね。」

 

 それにしても、戦場で見た彼女の傷は、致命的に見えたが、こんなところにいて大丈夫なのだろうか。


 「情けないことに、死ぬみたい、なんて言っちゃったけど、傷自体はあまり深くなくて、出血さえなんとかなれば大丈夫立だったみたい。」


 そんな俺の疑問に気づいたのか、彼女はそう付け加えた。


 「なるほど、とにかく無事で良かったよ…ええと、1等兵??」

 呼び名で困った俺は、彼女と同じ呼び方をしてみた。


 「マーシャ・スミスよ。マーシャで良いわ。それに、私は2等兵。新兵で1等兵なのは今のところリヴィだけよ。」

 そう言った彼女にならって、俺も自己紹介使用とするが、


 「あんたはいいわ、3等兵。呼び方は、もうこれで定着しちゃったし。あんたのことは、リヴィからいやというほど聞いてたしね、セシル。」


 マーシャは、こう言ってそれを拒否する。まあ、ここまで憎まれ口を叩ければ、傷の方は安心できそうだ。

 そんなことを思っていると、また、後ろから声をかけられた。


 「おいおい、2人だけで盛り上がらないでくれよ!俺たちも入れてくれ~!」

 男女2人組がこちらに向かってくる。どうやら今回のメンバーは、この4人らしい。


 「俺は、アレックス・ベクター。俺も3等兵で、同じく作戦中に頭を打って、激しい戦闘や訓練ができねぇ。短い間になるだろうが、よろしくな!」


 男に続いて女の子も話し出す。それにしても良かった。3等兵は俺たちだけじゃなかったのか。


 「私は、メイシー・ミッチェルですっ!ええっとぉ…私は皆さんと同じ任務には参加してないんですけど…」


 「任務前に緊張で倒れちゃったってわけ。それで、今はリハビリ中。この子、ちょっと気が弱いところがあるけど、私の魔法学校時代からの親友だから、もしも変なことしたら、殺すから。」

 マーシャが説明と忠告を付け加えたところで、扉から男が入ってきた。どうやらやっと始まるらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「自分のことは、自分がよくわかっていると思うが、今、君たちを通常通り活動させるわけにはいかない。

 しかし、人手が足りていない現状では、軽傷の兵士にも、任務にはあたってもらいたい。」

 そこで、ちょうどいい任務がある、と前にいる男は話す。

 「君たちには1週間の間、ウィーレ村魔法学校の臨時教員を任せたい。これまで我々王国軍にも、優秀な人材を数々送り出す、素晴らしい学舎だ。」

 任務は校長の要請らしいが、どうやら今の教育界では、実学主義がブームらしい。

 また、面倒なことになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それで..私としては、やっぱり自己強化系の魔法を教えたほうがいいと思うの。」

 マーシャはそう発言する。

 俺たちは命令が下った翌日にウィーレ村へと出発した。魔法学校では、一週間後に競技祭を控えているらしく俺たちはそれに向けて生徒の指導をすることになった。

 ところで任務内容には続きがあり、この競技祭で担当クラスを優勝させろといった内容だ。階級が上がった場合には、下の人間を適切に指導する能力も必要だから、とのことであった。

 そんなわけで、朝っぱらから四人で会議をしているわけだが、結局、1度生徒たちの能力を把握しないとどうしようもない、との結論に至り、ぶっつけ本番んで授業に臨むこととなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 クラスの子供たちに軽くあいさつを済ませ、さっそく授業が始まった。

 教卓には3人が登壇した。俺はというと、そもそも魔法学校を出ておらず、基本的な知識不足だとして、教室の隅に追いやられた。


 「それじゃあ、移動強化魔法で、一番基本的なものは何かな?」


 ううむ、俺にはわからん。生徒にはわかるのかとも思ったが、マーシャの問いかけに教室内は静まり返ってしまった。


 「おい、もっと簡単なところから入れよ!初めから難しすぎるだろ!」

 教室の後ろ側から、そうアドバイスを送るが、3人はひどく困惑していた。


 「じゃ、じゃあ、魔法の性質変化はわかるかな..?」


 お、これなら俺にもわかるぞ、魔力を攻撃魔法とかにするやつだな、メカニズムはわからんがやったことはある。

 なんだかうれしくて、発言しそうになったが、そんな雰囲気を感じ取ったのかマーシャが(あんたじゃないからっ!!)と言いたげにこちらをにらんできたので、思いとどまった。


 「あれっ?全滅?」

 アレックスがそう言うと、廊下のほうから笑い声が聞こえてきた。ほかのクラスの生徒が数人こちらを覗いていたようだ。


 「傑作だな、さすが3組、落ちこぼれが集まったクラスだ。魔法はおろか、教えられても魔力の変換すらできないんだから救いようがねぇよな------」






------「終わったわ…。」

午前の授業のが終わり、昼休憩で職員室へと戻ったところで、マーシャが口を開く。

 

 「変換すらできていないいんじゃ、本当の基礎中の基礎から教えてあげないと..。」

 メイシーもそう口に出した。


 「おやおや、皆さん、そう気にすることはないですよ。あなたたちは適当に授業していてくれれば、任務はこちらのほうで完了といたしますので。それに、いくら頑張っても、あの子たちが競技祭で活躍するのは無理ですから。」

 窓際のほうからメガネの男が席を立ち、こちらへ歩いてくる。あの席は..1組の教員の席か。


 「どういうことでしょうか?」

 アレックスが彼に問う。


 「あなたたちも感じたでしょう?彼らには魔法の才はない。どうせ底辺市民にでもなるのがオチです。適当に卒業まで授業を続けて、金だけもらっとけばいいんですよ。」


 「そ、そんな言い方って..。」

 そう言いだしたメイシーを、マーシャは制止して発言した。


 「そうですか、それでは、仮に3組が勝ったとしたらどうしますか?」

 この質問が少々癪に障ったのか、男はいやらしく笑って答える。


 「そんなことはあり得ませんが..仮に、私たちが3組なんぞに負けたなら、私は恥ずかしくて教師を辞めるでしょうね。」

 マーシャはこれに対して負けじと対抗する。


 「あら、そうですか。では、3組が負けたら、私は、兵士を辞めるとしましょう。」


 ....おいおい、うそだろ。なんて面倒くさいことを言い出すんだ。俺はマーシャの発言を撤回しようと思ったが、遅かった。


 男は、

 「面白い..」

 と一言言うと、午後の授業に向かった。


 「さあ、私たちも行くわよ!次は校庭で実技訓練だったわね。準備してくるわ。」

 そういって、マーシャは階段のほうへと駆けていった。


 俺は、追いかけようとしていたアレックスを止め、メイシーに事情を聴いた。いくら負けず嫌いの彼女とは言え、メガネの発言に対してあそこまで熱くなるのはおかしい。


 「うん、そうなの。今でこそ王国軍でも一目置かれる新人、なんて言われてるけど、実はマーシャも、魔法学校では落ちこぼれだった時があったの。

 それで、先生たちからもひどい仕打ちを受けて..。その時の自分と、あの子たちが重なっちゃったんだと思う。

 だから、許してあげてね..。」


 「なるほどな」アレックスは続ける。

 「まあ、俺たちはもともとあの子たちを優勝させるためにここへ来たんだし、最大限努力しようぜ!なあ、セシル!」


 正直、俺としてはあの子たちを農家の道に引きずり込みたかったが、まあ、これもクラークさんの言うチームワークってやつだ。ほか3人がそうしたいのなら、そうしよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 こうして俺たちの地獄の訓練が始まった。

 俺とアレックスは基本的な運動技能や、体力の訓練を行い、マーシャとメイシーで魔法に関する授業が行われた。

 3組の生徒たちも、普段から悔しいと思っていたようで、授業時間外の補修などにも積極的に取り組んでくれた。


 そして、ついに、ウィーレ村魔法学校の競技祭が幕を開ける。

 


ーーーーーーーここから読み飛ばし可ーーーーーーー



 皆さん、こんにちは!作者です。


 第7話いかがだったでしょうか?


 「6話で少し言いましたが、今回はちょっと多めに書いてみました!

 戦闘がないと、地味になりがちですが、結構書くのが大変です..。」


 正直、この物語をどれ程の方に閲覧していただけているか、わかりませんが、もし、気に入ってくれた方がいらっしゃいましたら、積極的に評価していただけると、大変励みになります。


 また、感想などもらえたら今後の執筆活動(ちょっと偉そうですが…)の参考にさせて頂こうと思っているので、時間のあるときにでも、ぜひ、お願い致します!


 以上、最後の戯れ言までお付き合い頂いた方、もちろん、物語を読んで頂いた方も、ありがとうございました。


 今後とも、よろしくお願い致します。

 

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