第4話 任務失敗!? 大将の実力
石の壁から外を覗いてみる。そこには、横たわったままピクリとも動かない人間、見たことのない生物。そしてそれと必死に抗戦する人影が見えた。
「無事だったみたいで何よりじゃ。ここはわしたち班長クラスで食い止める。君たちは前線拠点に戻って、本部に状況を知らせなさい。」
クラーク班長はそういった。ほかの班もそうするはずだ、と。しかし、俺はそうするつもりはなかった。
「班長、俺は第二部隊に状況を伝えに行きます。第二部隊との意思疎通がなければ、状況は打開できないはずです。」
「ほぉ..、では、ルーク、ヘンリー、君たちはどう思う?」
てっきりダメ出しを食らうかと思ったが、班長の返答は意外なものだった。
「俺たちも、セシルに賛成です。新兵全員で逃げ帰るなんて、格好がつきませんから。」
これを聞くと、班長は「そうか」と言って話し出した。
「いいかい、何事も、チームワークが大切だといったね。だから、新人といえど、意見は尊重してあげないとね。..3対1...。私は反対だが、君たちがそう言うのなら仕方がない、行ってきなさい。ただし、必ず次回の訓練にも遅れず参加すること。いいね?」
----それに、ヘンリー、セシルの2人の神展スキル。いずれもわしが見たことのないものだった。それゆえに教えることができなかったが、もしかしたら、、今回の戦いで目覚めるかもしれん。ルークも、本人は気に入らん様だが、わしはいいスキルだと思っとる、3人とも、期待しとるぞ。
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「..ねえ、セシル?あっちでさっきから、おっきな音とか爆発が起こってるけど、報告に行くならそこに行ったほうがいいんじゃないの?」
ヘンリーはそう言ってカテリアのほうを見る。おそらく敵軍大将との交戦が行われているのはあそこだろう。
「バカヤロー、あんなデンジャラスゾーン、入った瞬間にお陀仏だ。それに、俺たち第10部隊が来るってのは作戦上もともと決まってたことで、こんな状況で、わざわざ報告する必要ねーんだよ。」
そう、班長もこのことはわかってたはずだ。そのうえで、少しでも戦況をよくするため、俺たちを信頼して送り出してくれたんだ。
「よって俺たちの仕事は、本部からの増援が来るか、撤退命令が届くまで、俺達でも倒せそうな雑魚敵を相手にして時間を稼ぐことだ。召喚された下級クリーチャーとかな。」
そう、リヴィエルのことは心配だが、俺たちが言って何とか出来るとも思えない。無事を祈るしかないのだ。
「そう言う訳にもいかないみたいだな。」
ルークは、そう言って立ち止まった。
目線の先では、女性が横たわっていた。出血量が多く、もう助からないだろう。しかし、そうは分かってはいても声をかけずにはいられないものだ。
「大丈夫ですか!!?」
ヘンリーの問いかけに女性は、か細い声でこう反応する。
「あ、あんたたち……、この間の…三等兵じゃない…?」
声の主はこの間、拠点でリヴィエルと一緒にいた、マーシャという女性だった。
「あはは、まさか私があんたらより先に死ぬことになるなんてね…。
って、憎まれ口をいってる場合じゃないわね、あんたら、リヴィの知り合いなんでしょ?
あの子はこの先で、敵の少将と交戦してるはず…!」
絶対に死なせるな。マーシャは俺の足首をつかみながらそう言った。
「…必ず!」
そう強く返答した。
彼女に対して、俺たちにできることはそれくらいだった。
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第4話いかがだったでしょうか?
「次回で、カテリア編ラストです!
このまま、全速力でかけていきますので、どうぞよろしく!」
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