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第2話 結成!第5班!

 「あ゛あ゛あ゛--、帰ろっかなぁ..。」

 あれから数日、俺はまだメンタル的に立ち直れないでいた。

 

 「まだ言ってるのか、お前は。はやく立ち直れ、じゃないと明日の顔合わせで、ルームメイトとして恥をかくのは俺たちだ。」

 そう、明日は2か月間延々と基礎訓練をやっていた新兵たちに、所属部隊と班が発表される日だ。


 「いいか、ヘンリーですら兵士の本分をわきまえてる。..理由がどうであれ俺たちは、王国軍に入ったんだ!自分と、ほかのみんなの命も預かってる。生半可な気持ちでいてもらっては困る!」

 俺が何も返答しなかったからか、皿洗いを中断し、ルークは改めてこちらを向いた。

 

 こいつの言っていることが正しいことくらいわかってるが、今の俺は...。


 「すまん、少し頭を冷やしてくる。」

 そう言って、行く当てもなく家の外に出る。


 --------------------


 ルークが用意した夕飯を食べ損ねたので、食堂で一番安いメニューを注文した。訓練生の給与はそんなによろしくない、正直無駄遣いは避けたかったが仕方がない。


 「ここ、いいかな?」

 食事が来る前に女性に声をかけられた。さほど混んではいなかったので別の席を進めようと思ったが、赤い髪の毛が特徴的な彼女は、既に椅子に座っていた。


 「まあまあ、そう睨まずに、ごはん代くらい出すからさ!」

 それはありがたいと思ったが、どう考えても怪しい。王都は良くないうわさもよく聞くので、ここはひとつ、「何が目的ですか。」と尋ねてみる。


 「いやいや、君が、長年連れ添った妻に、いきなり離婚届を出された時、みたいな顔をしてたから。私、そういう話を聞きながらお酒を飲むのが大好きでさ。」

 そう言うとこの女性は、大ジョッキを二つ注文した。


 「僕、まだ15ですし、あなたに話をする気もありませんよ。」


 俺がそう突き放すと、女は頬杖をつきながら言う。まるでこの状況を楽しんでいるようだ。


 「へぇ、威勢だけは良いみたいだけど、私がいなくなったらどうやって会計するのかしら?」

 何を言っているのか最初は理解できなかったが、ポケットに入れておいたはずの財布が、いつの間にかなくなっていることに気づく。


 「私が盗ったんじゃないよ?来る途中、偶然、犯行現場を目撃したから、取り返してあげたってわけ。..さあ、どうする?お酒は飲むと気分がよくなるし、悩みは、人に話すと楽になるわよ?」

 そういって、俺の財布をポーチから取り出す。何者なのかますます怪しくはなってきたが、やむを得まい、俺は<あの時>までのことをあらかた話した。

 

 「それでぇ?、あなたはその子に嫌われたって思ってるわけ?」

 女性改め、エルザさんは笑いながらそう言った。だとしたら、あなたは何もわかっていない、と。


 「いい?兵隊ってのは何時だって死と隣り合わせ。そんなところに、大した能力もないのに、大切な人がいるなんて、私は嫌だと思うけどな?」


 だとしても、と、言おうとしたが俺は留まった。


 俺だってあいつに、あんなチートスキルがなければ何がなんでも止めたはずだ。


 ---そして、理由がどうあれ、俺は彼女をこの過酷な環境へと無理やり送り出してしまったのだ。どれだけ才能があったって、あいつだって一人の女の子だったんだ。そう思うと、いても立ってもいられなくなった。


 「エルザさん、ありがとうございました。俺は、どれだけ突き放されようと、あいつを、そして村のみんなや大切な人を守るために戦います。」

 俺はテーブルから離れようと、立ち上がる。すると、入り口の方から何か聞こえてきた。


 「決心がついたみたいだな!」

 声の主はルークだった。隣にはヘンリーもいる。


 「こいつ、なんだかんだ、セシルのことが心配みたいでさ。」


 何を言うか、とルークはヘンリーの口を塞ぐが、彼は続ける。


 「--僕も、2人には、迷惑かけることもあるかもしれないけど…、いつかこの国の英雄になるために、セシル、お前と一緒に戦うよ!」


 「俺もだ、セシル!のけ者は許さん!俺の剣で、この国を守る!」

 焦った様子でルークも続く。


 舞台は、ユーレリア王国、国を守る兵士、セシル・ハルガダナ、ルーク・エドモンド、ヘンリー・ジェフリーの三人の物語は、もうしばらく続きそうである。


ーーーーーーーーーー翌日ーーーーーーーーーーー


 大きな広間に集められた新兵たちの前に、三人の男女が現れる。

 中央に構えるのがバークレー元帥。その左側にいる女性が大将ノエル、右がデール大将だ。

 現王国軍最強と謳われる戦力の登場に、周囲がざわつき出す。


 やれやれ、と言わんばかりの顔をして、首を左右にふると、大将ノエルはその綺麗な両手を素早く重ね合わせた。


 ****************ビリビリ****************

 「ダァァァァーーーンッッッ!!」

 強烈な破裂音とともに、全身に衝撃が走る。


 辺りがシーンとした静寂に包まれる。


 「はーい、じゃあ始めますね。全員元帥に貴重なお時間を取らせていることを、忘れないように。」 


 大将ノエルに続いて、デール大将が話し出す。


 「これより、新兵諸君に所属班を発表する。心して聞け。」

 

 「第4部隊から、第3班……」


 長い…考えてみれば当たり前か、この人数が全員配属されるのだ。


 ---------------


 「続いて第10部隊、第5班…、セシル・ハルガダナ!」


 「は、はい!」


 「ヘンリー・ジェフリー!」


 「はぁいっ!」


 「ルーク・エドモンド!」


 「はいっ!」


 「以上、三名は速やかに301会議室に移動するように。

 続いて……」


 「おい、移動するぞ!」

 ルークがそう言うと、三人で音をたてないように小走りをして別室に移動する。


ーーーーーーーーーーーーーー


 「まさか、三人同じ班になるなんてね。僕、安心したなぁ。」

 移動したはいいものの、部屋には特になにもなく、俺たちは指示を待っていた。


 「全く、家だけじゃなく、任務でもお前らと一緒とは…頭がいたくなる。」

 ヘンリーの言葉に対して、ルークはこう言うが、多分こいつも、俺も結構安心していると思う。


 [ガチャッ]

 ここで、ドアの空く音がした。

 入ってきたのは、どう見ても70は過ぎていそうな老人だった。


 「ばふぅっ?!」


 何かを言おうとしたルークの口を俺は押さえる。

 こいつのことだ、老人ホームはあちらです、案内しますよ!なんて言い出しただろう。こいつの思ったことを熟考せず口に出すところは、純粋でいいことだがたまに傷だ。


 「何をするセシル!?」

 ……悪く思うな、ルークよ。

 

 「ほっほっほっ。今年も元気な新人が入ったものだ。」

 「わしは、ガラハド・クラークと申す。君たちの班長だよ。これからよろしくな。」

 そう、クラーク班長が言うと、


 「なっ!?は、班長?!!」

 やっぱりか、ルークはこの反応である。


 「さっそくだが、我々5班は10日後の<カテリア攻略作戦>に、補給役として参加することが決まったから、そのつもりで準備をしていくよ。」


 補給役とは言え、都市の攻略とは。さっそく大きな任務が俺たちに与えられたようだ。



ーーーーーーーここから読み飛ばし可ーーーーーーー



 皆さん、こんにちは!作者です。


 第2話いかがだったでしょうか?


「次回から、任務が始まります!

 果たして10日でどれだけ成長できるのか?!」


 正直、この物語をどれ程の方に閲覧していただけているか、わかりませんが、もし、気に入ってくれた方がいらっしゃいましたら、積極的に評価していただけると、大変励みになります。


 また、感想などもらえたら今後の執筆活動(ちょっと偉そうですが…)の参考にさせて頂こうと思っているので、時間のあるときにでも、ぜひ、お願い致します!


 以上、第2話でも、最後の戯れ言までお付き合い頂いた方、もちろん、物語を読んで頂いた方も、ありがとうございました。


 今後とも、よろしくお願い致します。

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