表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/15

第11話 勝利と倫理 戦場のジレンマ

 新たな任務が、俺たち第5班に出された。

 敵、ガイナ王国側にある、国境付近の農村地帯、ルザンヌへの進軍計画に召集されたのだ。

 リヴィを除いた3人は、主要部隊として初めて戦地に赴くこととなる。そう考えると、マンネリ化してきた魔法訓練にも、気合が入った。


 ルザンヌ攻略部隊は、ガイナの支配地区に入ってから、いくつか村を転々としたが、そこには最低限の警備しかなかった。

 おそらく、元からここ、クレーバレー付近で迎え撃つつもりだったのだろう。別名、「暗黒谷」とも呼ばれる、底の見えない谷だ。

 この辺りは、土着自治の志向が強く、ガイナの兵士も、地図的にあまり精通しているわけではないという話を聞く。そこで、俺たちもここから攻め込ることになったのだ。

 さて、予想通り、谷で待ち伏せにも遭った訳であるが、部隊は氷魔法を駆使し、谷を超え、全て順調に進んでいるかのように思われた。

 しかし、1人の女性の出現によって選局は180度変わってしまった。


 「遅くなってすまない…」

 そう言うと女は周囲の兵士を、次々となぎ倒した。中には大尉や、少将もいたはずだが。


 敵軍の士気もあからさまに上昇している。これは早めに決着をつけなければ。


 <ギインッ!>

 俺の後ろで突然、刃物が重なりあう音がした。


 「この人は殺らせない…!」

 振り替えると、リヴィが俺を守るようにして、先程の女と対峙していた。

 

 「すまない、リヴィ。」

 そう言って俺も彼女の隣で剣を構えた。


 「ううん、大丈夫。それより気をつけて、この人の動き、普通じゃ…。」

 彼女の話を聞いている途中だが、横腹部に強い衝撃がり、俺は崖近くまで飛ばされる。そんな、今回はしっかり目に神経を集中していたのに…!

 

 リヴィや、クラーク班長らが一緒になって戦うが、防戦一方だ。

 そう言えば、ルークとヘンリーの姿も見えない。クソ、無事なんだろうな…!


 事態を憂慮したのか、部隊長、カークランドが声を張る。

 「やはり来たか、北方の魔女よ。」

 彼は何故か、小さな子供を連れていた。ここに来るまでの村にいた子だろうか。

 「お前らガイナは..罪深き集団だ。.....こんな抵抗をしなければ、この子もきっと幸せに暮らせただろうに。」

 彼は、崖に近づく。おいおい、なにをするつもりだ?!まさか…


 「よせ、止めろ!!」

 誰かが制止を試みるが、遅かった。


 ---子供が崖から落とされた。この光景を見ていた者たちは皆、瞬間、停止した。ただ1人を除いて。

 先ほどまで戦場を無双していた、《北方の魔女》は、落とされた子供を追って崖に飛び込んだ。

 

 すると不敵な笑みを浮かべたカークランドは、がけ下に向かって数発、発砲した。


 「ククク、動揺を誘うほどのつもりだったが、思わぬ収穫だ!こうして我々は、また1歩勝利に近づいた!」

 そう言って、カークランドは大笑いする。

 

 ---これでいいのか?そんな彼を見て、俺は自答する。

 この先、ユーレリア側は、こんな戦い方を続けるのか?

 これでは、勝利したとしても..


 「全然うれしくねぇよ!」

 ---セシル・ハルガダナはそう言うと、彼女たちを追って崖に飛び込んだ。


 「嘘..!セシル!!」

 リヴィエルはそう言って崖に近づこうとするが、部隊長に止められる。

 

 「あんな売国奴、ほおって起きなさい。一時の感情に流されおって。彼は兵士失格だよ。」

 

 「どいて...!!」

 彼女は彼を、力いっぱいにらみつけた。


 「なあっ、貴様、上官に向かって..!」

 憤る二人の間に、クラーク班長が仲裁に入る。


 「なあに、セシルもやわな訓練はしていない、今は信じて待つしかなかろうのぅ。」


 

 

 

 皆さん、こんにちは!作者です。


 第11話いかがだったでしょうか?


 「新章突入!」


 正直、この物語をどれ程の方に閲覧していただけているか、わかりませんが、もし、気に入ってくれた方がいらっしゃいましたら、【公告の下にある、★マークから積極的に評価】や、ブックマークしていただけると、大変励みになります。


 また、感想などもらえたら今後の執筆活動(ちょっと偉そうですが…)の参考にさせて頂こうと思っているので、時間のあるときにでも、ぜひ、お願い致します!


 以上、最後の戯れ言までお付き合い頂いた方、もちろん、物語を読んで頂いた方も、ありがとうございました。


 今後とも、よろしくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ