振り分け
あれから2日ほど経った。その間俺たちは、ゲーム内では大まかだった法を細かくしたり、これからのインフラ政策を取り決めたりしていた。インフラといっても森の外までの道を決めるぐらいだったけどな。
まあ、それより大変だったのは現実だ。
「なあ、学校来てる奴少なくない?高月、何か知ってるか?」
「あれ、知らなかったのか。1次抽選で落ちた人には優先的にゲーム届くらしいぞ。だから、みんなやってんじゃないのか」
「不真面目な奴らだな」
「ん、そう、だね」
「お前達が言えることか」
「あ、先生」
「奏、お前だって授業まともに受けてないんだろ」
「そう見えてるだけですよ」
「そういうことにしとくよ。何で、俺のクラスは真面目な奴がほとんどいないんだ?というか、俺もゲームしたいんだよ」
あ、この人もゲーマーなのね。
「それより、結さん。自分の教室に戻りな。HRの時間だ」
「ん」
「はあ、碧、高月。お前達だけは真面目でいてくれ、ここの良心はもうほとんど残っていないんだからな」
いやいや、俺たちだけがまともなわけ・・・あるかなぁ。いろいろとぶっ飛んでる奴が多いもんな。うん。
「良心だってさ。頑張ってくれよ、『帝国の良心』」
「ウルセェ」
「?」
まさか、あんなにクラスから人がいなくなるとは思わなかった。また、イベントがあるとああなるんだろうな。
話は戻るが、これから俺たちは先日行われた入隊希望者の試験結果を見て、どの隊に属させるかを決めなきゃならない。今、人員はいないから一時的でも永続的でもいいけど隊長は俺と兄上とカリン、後百地がする。ナハはカリンを手伝うから実質、副隊長だな。
そんなわけで俺たちはこれから入隊希望者の選考を行うわけだが
「結構多くないか」
「ああ、我もはじめのうちは4人いるから、4分隊、40人前後集まればいいと思っていたが60人も来るとはな」
「現在の人口が確認できてるだけで1500もいってないですし〜かなりの人が希望だしてますね〜」
「この街にもすでに貧民街のようなところができているでござるからなぁ。ここで取り立ててもらうだけで生活はかなり良くなるのでござろう」
「まあ、見ていくしかなさそうですね」
「そうだな」
戦闘試験は見ていてある程度目星を付けていたから、俺たちは各々欲しい人材を確保していき、総勢46名を雇用した。予定より少しオーバーしてしまったのでもう少し早めに金策を考えなければいけないかもしれない。さて、これに一応七王のメンバーと俺たちを加えて56名か。ナハは戦闘にはいけないしな。
「私も、いる」
「ルナ、いつの間にいたんだ?」
「ちょっと前に、ログインして、城の中見てたら、いたから」
「そうか」
ルナは兄上とこの2日街で一緒にいて、いろんな人から兄上の彼女って完全に認識されてるから、ほとんど顔パスで城に入れてる。ここの警備ゆるすぎないか?
「ルナも戦うなら57か」
「どちらにせよいまだにヤーエスの推定される兵力の方が遥かに多い事態は変わらんし、兵数は増せん」
「そうでござるな。慎重にいくでござるよ」
「ねえ、私、ルシフのとこにいてもいいの?」
「ああ、兄上の所の補佐だ」
「よし、頑張る」
「期待しているぞ」
それにしてもスムーズに決まったな。もう少し、欲しい人が被るかと思ったけどそんなことはなかったから結構驚きだ。まあ、何よりも驚きなのは
「これで、入隊者の振り分けは終わりだ。現状一番の主力はアルスの隊なので、我々は十分に支援できるように訓練していくとするか」
「はい」
「御意」
俺が軍の主軸を担っていることなんだけどな。
「ん、そんなに主力を保持できたことが不思議か」
「まあ、な」
「ほら、あれだ。一応の権力の分立にみせかけてるってやつだ」
「うちの所は独裁体制じゃありませんってか」
「そういうことだ」
「統帥権は皇帝が持ってるんでござるがね」
「ちゃんと知らせてはないがな」
「じゃあ今度知らせておくか。なんかの端にちっちゃく。気に留めないほどちっちゃくかいてな」
「名案だな」
なんて冗談を言っていたら、いつの間にかローズが来ていたらしく
「ああ、何かいけないことをしている気がしますけど⁉︎いいんですか⁉︎」
「あらあらローズさん、あなたもいまの話を聞いてたなら共犯ですよ」
「え」
「そうですね〜いたっていう事実は重要ですからね〜」
「そんなー」
なんてからかわれていたけど、ローズもだいぶなれてきたようで何よりだ。はじめの方は堅かったからな。
「そうだアルス、七王の拠点にでも行ってみるか」
「そりゃあ、行けるなら行きたいけどいいのか?」
「あいつらも好き勝手に人いれてるからな」
「あ、私も、行きたい」
「お、そうか。じゃあルナと二人で行ってきたらどうだ」
「じゃ、そうするか」
「うん」




