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処遇

 「それでギルドに行くとお前達が話していると聞いたから、ルナと二人で頃合いを見てとまあそんな感じだ」


 そんな感じって軽めに済ませていいのか?まあ、七王の残りの人もヤバいやつじゃなさそうだし。確かにやりそうなことは危険だけど、常識を弁えてるというか。つうかそんな判断下してる時点で俺も兄上に毒されているということだろうな



 「それでも、2週間後に攻め込むってどういうことだよ。あまりにも早急すぎやしないか」

 「軍隊の話をしてた時にはそんなに早く攻撃するつもりはなかったんだがな。なるべく早くいかなければ悲惨な事態が起こるように思えて仕方がない」

 「確かにそうだけどよ。2週間の訓練で勝てるぐらいヤーエスの騎士達は弱くはなかっただろ」

 「ふむ、そう思うのも最もだ。しかし、相手の訓練方式は中世の騎士のものだという事を考えればかなり容易になると思うが」

 「中世?・・・!」


 確かに機動戦力がいないとはいえども現代の戦術は進化しているだろう。


 「それとだな。ツヴァイで地図を見ていたが、ヤーエスは国王を名乗っているが実際の領地はあそこと周辺の村、2、3個だけだったぞ」


 それじゃあ、騎士団の数は2千人を保持し続けるのも難しいんじゃないか?あとは村の支配度が気になるな。実際見てきた訳じゃないけどあんな国王だし地方までに気を配っているとは思えない。うまくすれば戦闘前にこちらに引き込めるかもしれない。後は、都市内で差別されている亜人、魔族を煽れば、戦力を分散させることができるか?


 「確かに理論的に0じゃないな。それと七王も参加して、うちの兵力で警備隊とかも含めれば100はいくはずだ」

 「そうなると、一人、20人倒せば何とかなるか?いや、どう考えても無謀だろう」

 「ちゃんと考えてるんだろ、中世レベルなら騎士団長は目立つんだから、そいつを狙い撃ちにすれば」

 「そういうことだ」


 不可能じゃないがかなり厳しいものになるか。


 「ね、ねえ上兄ぃ、下兄ぃ、私がいるところで話してて大丈夫?私もヤーエスには思うところがあるから言わないけど、伝える可能性があった訳だけど」

 「問題ない。わざわざ聞かせた」

 「何で?」

 「伝えられてもな、あいつらが出来る事ってたかが知れてるだろ。村への根回しと魔族への対応か?まああいつらには待遇を良くするなんてことできないだろうから、あまり意味ないけどな。そんなとこだろ?」

 「うむ。仮に攻められたとしても、全兵力を割くことはできないし森の中だ。防衛するってなった時は圧倒的にこちら側が有利だ」

 「分かったよ。それで、」


 兄上は手をアズサへ突き出し、声を止め


 「害にならないなら気にしない。勝手にしろ」


 とだけいいそのまま外へ出て行った。


 「よかったじゃん。これからは自由だぜ」

 「だけど行くあてもないんじゃ厳しいんじゃない?どこか行きたいとこある?」 

 「それなら、ルシフさんのお話に出てた七王の方々が住んでるところに」


 おっと、予想外のところが出てきたな。


 「どうしてだい」

 「あの、貪欲のノワールって方、魔物の研究されてますのでその手伝いができれば。それに僕も好きな事で働けるなら嬉しいですし」

 「ま、行ってきいてみる事だな。兄上と俺の身元の保証をする旨の書状を書いてやるから、アズサと行ってこいよ」

 ええと、この者の身元はアインザム帝国皇帝ルシフ、および皇弟アルスが保証するっとこれでいいかな。このディスプレイ上にうったものを紙に実体化させてくれる謎機能ほんと役に立つな。それに羊皮紙っていうのがまた味が出てるし。

 

 「ほい」

 「わあ、ありがとうございます!」

 「気にすんな。悪いのはこっちだしな。じゃ」

 「ええ、お元気で」

 「アズサも悪いな」

 「ううん、気にしないで。面白かったし」

 








 「やっと出てきたか」 

 「そんな時間経ってないだろ。それにあいつに対して少しでも罪滅ぼしができるならしてやりたいしな」

 「そうか」

 「ところでずっとルナいたよな。どこに行った」

 「ここだよ」

 

 兄上の後ろからちょこんと顔を出してきた


 「そうそう、私の、種族はグリム・リーパー。いわゆる、死神。これは、進化はしない、種族、らしい」


 進化しない種族は人型のものだと多いらしい。人間とか魔人みたいな。俺たちは出会った事ないけど魔物は進化系統が豊富にあるから面白いらしいな。


 「ま、とりあえず城に行くか」

 「ああ」

 「そういえば、どうして、あの子は、見逃した?元々逃したく、なかった感じが、あったけど」

 「利用価値があったまでだ。なければあそこで仕留めていた」

 「どうせそんなのなくても、脅威になりえないとか言って逃してやるつもりだろ」

 「む、そんなことはない」

 「ヘイヘイ」

 

 あのとき生きて国に入っていた段階で事故による死亡の形は取りにくくなっていたし、国内で仮に殺してしまっていたら不安が膨れてしまう。まだ、都市が一個しかにのにそれはあまりにも致命的すぎる。


 まあ、1番の理由はただ単に殺したくなかったんだろうな。あいつには何の罪もないんだ。悪人だったらそこまで躊躇しないんだろうが、本当の人みたいで無実の人をってなるとあまりいい気がしない。


 「そこまで、自分がひどい人だって、思おうと、しなくても、いいんじゃない」

 「そう見えるか?あまり我にはわからんな」

 「・・・」


 わからないわけがない。俺たちは現実でも相手からの見え方に気を配らなきゃならないんだ。ましてやずっと一緒にいたルナだってそう見えてる。俺にはどうしてそこまで自分の考えを自分自身に対して誤魔化しているような態度を取り続けてるのかがわからない。


 ただ一つ言えることは蓋を無理やり閉じ続けたものはいつか爆発するってことだけだ。

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