七王の町巡り
ルシフSIDE
ふむ、森の入り口にもどってきたか。
「おお、斬。突然、消えて悪かったな」
「シャー」
「おお、これがルシフの従魔か。美味しいかな」
「!?」
「冗談だよ」
軽口を交えつつ森を抜けていき、町の方へ向かっていくと、其処は最後に見た景色から大きく姿を変えていた。
「こんな短期間でここまで成長するか」
「お前がここにいたときは違ったのか」
「ああ。我らがここをたったのはまだ移住者の第一陣が来たばかりの頃だったからな。ほら、あそこが入り口だ。おーい、ギルファムンド。帰ってきたぞ!」
「シューー!」
「あの大きい蛇がギルさんなんですね」
ギルか、いいな。呼びやすいし、親しみやすい。リアルでは2、3日しか経っていないはずだが、久しぶりに感じがするな。あぁ、そういえばギルと再開したらしたいことがあったな。
「ギル、お前の上に乗っていいか」
彼はわたしの腰辺りまで頭を下げてきた。ふむ、これは了承と捉えていいだろうな。大蛇に乗る機会なんてないからな、楽しみだ。
ギルは私がまたがると頭を元に戻した。
「これはいいぞ!なかなかに面白い」
「ねえ、私に乗らせて」
「駄目だ、なんでそこまで仲も良くない奴にって、おい、今の誰の声だ」
「私だよ、私。メア」
「そういえばメアはずっと集まりの間寝てたねー。というか無理やり登って抱きついて寝てるし」
「鱗のすべすべ感とひんやりがマッチして寝やすいかな。でも、鱗が一枚じゃないから凸凹してるのはマイナスかな。うん、10点中、7点。zzzzzz」
「勝手に登って、採点して、寝るのか。悪いがギル、こいつも一緒に運べるか」
「シャ」
「そうか。助かる」
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「かなりでかいな」
「ああ」
ここまでとは思わなかったけどな。やはり、ある程度高速で作れるのだろうな。考えれるとしたら強化魔法か。あれは戦士でも覚えれるから、結構やさしい魔法になるか。
「あの、かなり私たち見られてますけど、目立つんですかね」
「目立つでしょ。だってこの国の皇帝を含めて七王全員いるんでしょ。この世界の人たちなら分かるらしいし、プレイヤーからしても、ほとんどみんな有名人だよ。奇人、変人、狂人。どれかでしょみんな」
「え、私もですか!」
「そうだよ。確かに君は常識人かもしれないけど、周りから見たら、男を誑かす色狂いでしょ。やっぱり狂人じゃん」
「とほほ、このメンバーに入ったのが運の尽きかぁ」
「ひどい言い草だな。まあ、ここの住民は他より当たりが弱い方だろ」
「ああ、トップが七王だからね」
「ねえ、そんなことよりあそこからいい匂いがしない?いこうよ。ゆっくりまわっても問題ないでしょ」
ほんとまとまりが奴らだな。それくらいの方が長続きするだろう。
「頼もー!七人なんだけど、空いてるかな?」
「いらっしゃい、大歓迎さ!って、こりゃまた豪華な方々が来たねぇ」
「ありったけの料理をとりあえず一人前づつ頂戴!」
「あいよ!」
「イブ殿は本当にお食べになるようですな」
「うんうん、ここでしか食べれないものもあるしね。いろんな種類の料理を食べるのが目標だからね」
イブは本当に楽しんでるな。それにしても
「メア、まだ不貞腐れてるのか」
「とても、気持ちよくてもう少しだけでも…」
「店には入れられないからな。小さくなってもらった」
どうやら街の中では大きい従魔は小さくなれるらしい、そのかわり戦闘能力がなくなるが。まあ妥当だろう。
「また、いい寝具でも見つかるんじゃないか。ほら、例えば…」
「スライムをベットにできれば気持ちよさそう」
「従魔にでもしなきゃ無理じゃないか」
「いえわかりませぬぞ。私もそちらの方面で研究してみますか。あらかた、いま調べていることは終わりましたし」
「なあ、ノワールのおっさん。何調べてたんだ」
「そうですね、面白そうなのはレッドスライムでしょうか。魔物学スキルでの文言を知っていますか」
「確か、怒ったスライムだと言ってたな」
「ええ、ですがそれは信用できるかどうかもわからない何かしらが述べたものです。信用性に欠けるものは調べてみないわけにはいかないタチでしてね。この世界なら期日なく調べられますから。
少し話が脱線しましたな。そんなわけで私はヤーエスの雑貨屋でケージを買い、スライムを捕まえては実験を繰り返していたのですがあることが判明しました」
「どんなことが判ったんだい。それとほら料理、たくさん来てるから食べなよ」
「そうですな。いただきます。おや、たしかに美味しいですな」
うむ、たしかに美味いな、
「それで、そう。結論として魔物学の説明はある程度は正しいものでした。普通のスライムを痛めつけ放置してみると、その後触ってみたときに熱はありました。まだ十全な研究道具が揃ってないので自己治癒による炎症か本当に熱くなるのかはわかりませんでしたがな。しかし、どちらにせよスライムは多少、青が薄くなっていたものの赤には程遠く、熱もお湯程度の暑さでした」
「痛めつけ方が悪かったんじゃない」
「念のため、3、4回は瀕死に追いやりました。いろんな方法で。それでもです」
「ふうん」
「なかなか、面白そうだな。我に手伝えることがあれば言ってくれ」
「俺も手伝ってやるよ。敵のことを知るのはそれが雑学だとしても戦闘に於いてかなり重要なことだからな」
「お前、見た目からだと脳筋にしか見えないから違和感がすごいな」
「あ、なんだと!」
「ほっほっほ、感謝しますぞ」




