帝国の街並み2
また間隔をあけてすみません。絶対に失踪しないようにしますのでこれからもよろしくお願いします。
「本当にお前たちは訳が分からないことをするな」
説明して開口一番にけなされた。いや確かにいろいろなことをした自覚はあるけどさぁ。
「わけがわからないことってのはひどくないか」
「そりゃあそうだろう。同盟結んで、異邦人のほうで有名な生産ギルドを引っ張ってきたんだろ。どれもちょっと隣の町行ってくる感覚ですることじゃないだろ」
よくよく考えてみると、まあそうだよな。普通の人の感覚ってそんなもんだろ。今まで何もリアクションしなかったカリンたちが不思議だよな。
「私たちはもうルシフさんたちが何をしても、ちょっとやそっとのことじゃ驚きませんから」
目線で心を読まれた。解せぬ。
「ところでセーニャがここで宣伝するのはいいのか」
「その前にこいつらが作った武器を見せてくれ。ギルドで宣伝した武器がなまくらだとか、冗談にもならないからな」
「いいぞ、見せてやる。これが私の作った最高傑作だ。使った素材は普通の鉄だ。産地は不明だけどな」
「ん、どれどれ。重さは十分にあるし、バランスも整っている。いいんじゃないか。宣伝してもいいぞ」
「よっしゃ!アルス、カリン、私はここで宣伝して終わりにする。ありがとな」
「わかった。ただロワにだけは連絡しておけよ」
セーニャはうなずくとマスター室を飛び出していった。
「じゃあ、俺達もいくとするか。騒がして悪かったな」
「気にするな。じゃあ、カリンさん魔物について何かあったら知らせてください。帝国の冒険者ギルド一同が誠心誠意、依頼を達成させていただきますので」
「はい、頑張ってくださいね」
レンドにさえ敬語を使わせるって本当にカリンは何をしたんだよ。
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「そうだ、アルスさん。町、見に行きませんか。確か、すぐに城に来たんですよね」
ギルドを出てすぐにカリンにそう提案された。そういえばずっとセーニャに振り回されてまともに町を見れていないな。セーニャを追っかけていた時でも建物がとても増えていたのはみたいたけどゆっくり観光してもいいな。
「じゃあ、まずどこかで食べましょうか。空腹度も減ってきましたし」
「いいぞ。飯がどれくらいうまくなったのかも興味あるしな」
「毎日、狼の肉か虫を素焼きで食べていましたからね。だけど、今やそんなまずいものを食べないで済みますから」
入った店は、食堂で今は夕方だからか人があまりいなかった。
「いらっしゃい、何を食べるんだいってカリン様じゃないか」
「こんにちは。おばさん、殺人蠍の幼体の揚げ物ある?」
「あいよ。ところで隣の兄ちゃんは何だい。恋人かい?」
「ち、違いますよ!何言ってるんですか」
「はっはっは。若い人たちはいいねえ」
それだけ言っておばさんは店の奥に入っていった。
「アルスさん、ごめんなさい。悪い人じゃないんですけどね」
「あ、ああ。それはわかるけど。その料理って」
「あれですか。誰もここの虫を食べようとしなかったんですけど。おばさんがその土地の食材を使った料理がないなんてもったいないって言って、料理職のプレイヤーと一緒に研究してそこで開発したらしいですよ」
たくましい人たちだな。というか殺人蠍なんて食おうなんて考えるよな。確か毒をもってたはずだから死ぬかもしれないのに。まあ現実にはフグを食おうとしたやつもいたから飯のために命かける人も少なくないのかもしれないな。
「ほい。できたよ。彼氏さんもたくさん食べてよ。多めに作っておいたから」
「だから、もう違うって言ってるのに。私、これ好きなんですよ。アルスさんも早く食べてみてください」
「ああ。いただきます.....うわっ、これほんと旨いな。エビっぽいか。いやだけど独特な味だな。でも、本当にこれは好きかもしれん」
「でしょ。それじゃあ私もいただきます」
俺たちは黙々とそれを食べ続け、満腹になるまで食べることができた。本当に多く作ってくれたんだな。
ふと、店の窓から外を見てみるとそこには中世風と近代風の建物が入り混じった若干奇妙な光景が広がっていた。そこではプレイヤー、住民が親しんだ様子で話し合ったり、ともに酒を酌み交わしている。
「どうしたんですか。アルスさん」
「いやな、この国はプレイヤーが作った国だっただろ。それで俺はまともに町を見れなかったからどうなっているのか心配だったんだけど、ここから見える景色からはそういう問題はないんだなって」
「そうですね。皆さん本当に仲良さそうにしてますし、今のところ対立もないですからね。私たちの国は悪いところじゃないです」
「そうか」
「それじゃ、ほかのところも見てみますか。おばさん、ご馳走様!」
「ご馳走様。旨かったです、又来ますね」
「あいよ~ あの子は否定してたけど、今も寄りかかって歩いてたりどう見ても恋人どうしにしかみえないけどねえ」
カリンといろんなところに視察しに行ったが、どこも活気があり皆カリンを慕っている様子だった。ただ、
「なんで皆さん、私たちのことを恋人、恋人っていうんですか!そんなに見えますか」
「はは、まあそうだな」
そりゃあそんなにべったりくっつかれてたらそう思われると思うけど。というかそんなにべったりくっつかれる経験がないのでドキドキしてしょうがないんですが。
「そういえばルシフさんはまだ帰ってこないんですか」
「そうだな、確かに遅い気がするな。連絡が来てるかな」
確認してみると兄上からメールが届いていた
〈少し用事ができたから戻るのは遅くなる。そこである程度の力と魔法どっちかが使える奴を兵隊として試験しておいてくれないか。ただし、いくら強くても一般常識がないやつはいらないから、適当に試験できるならしといてくれ。それと志願者のリストは作っておいてくれ頼む〉
結構厄介な案件じゃないかこれ。
「カリン、これ見てくれ簡単にできそうか?」
「んんと、これならなんとかできると思いますよ」
「わかった。悪いけどナハのほうに行って実施してきてくれないか」
「いいですけど、これは集まって決めなくていいんですか」
「ああ。今、帝国は敵国とかそれ以前にここの魔物にやられかけているからな。兵隊がいて巡回させればなんとかなるだろう」
「そんなもんですかね」




