追及
次の日になり、俺たちは報告をすることにした。そういえば今日は発売から1か月たったから2次販売が開始されるのか。結もしばらくしたら領地に来るのかな。それは来てから考えればいいな、今はこの書類をうまく使うことを考えるだけだ。
「よくやってくれたよ。それじゃあ僕の種族を教えてあげようかな」
「いやそれはいい。それよりも図書館のすべての本の閲覧の許可証を発行していただけないか」
「それはだめだ。いくら君たちが町の恩人だとしても禁書指定の本は危険だ」
「これを見てもか」
「...それは何だい」
まあしらばっくれるのは想定内だ。
「おそらく、貴方とザルドがつながっていたことを証明する書類です」
「この天使というのは貴様だろう。堕天使が不快に感じるのは、神か天使しかないらしいからな、ここの図書館の種族本に書いてあったぞ」
兄上はいつの間に図書館に行ってたんだ。
「少し渡してもらってもいいかな」
「誰が渡すか。渡した瞬間に破られてはたまったものではない」
「君が作った偽物かもしれないだろう」
「我が用意したものを偽物とのたまうのか」
確かにこの証拠が本物だという証拠が証明できないし、あの隠し部屋に合ったところに考えると双方ともばれたくなかったのは明白だよな。そもそも財務官とつながってたって話の方が怪しくなってくるよな。
議論が平行線を辿っているうちに、外部から変化が起きた。
「失礼します。お父様、入室してもよろしいでしょうか」
「構わないよ。ルシフ君たちもいいよね」
「ええ」
本当は部屋に入れたくないが、不信感を抱かれるのは余計にまずい。それにしたってなんでこんな時にここへ来たんだ。伏兵が隠れている可能性は考えていたが、ローズがここに来た理由がわからない。
「ローズ。どうしてここに来たんだい。今日は大切な用事とかはなかったはずだけど、もしかして町で何か問題でも?」
「いえ、そういうことではないのですが...その先日ザルドの屋敷を捜索していたら奇妙なメモを見つけまして、その天使=領主、悪魔=組織の長とだけが記述しており何のためのメモかとご意見をと...お父様?」
「ほうほう、奇妙なことですなパトリック殿。我々の書類と今のメモを照らし合わせると一つのことが浮かんでくるとは思いませんか」
「さあ、なんだろうね。いかんせん僕は察しが悪い方で」
「お父様、何か隠しておらっしゃるのですか。それが悪事であれば私は身内といえども容赦はしない覚悟です」
パトリックは隠し通す意味がなくなったかな。異常なまでの娘好きで娘に嫌われるなんてなったらそのままショック死しちゃうかもしれない。
「はあ、仕方がないね。確かに事実は認めるけど実際、僕たちだけで北側までしっかりと統治ができる保証はなかったからあの巨大組織に北側は任せた。いいよ、図書館は自由に使っていい。それと君たちの町にローズを連れてっていいよ」
ローズが俺たちの領地に来るのか。うんそれなら問題はないかな。俺たちを裏切らないって保障と別の地で領地経営の実習をさせるってとこかな。まあ、それぐらいならいいだろう。
「ローズ嬢が我が領地での人質扱いということになるか。何もそこまでしていただかなくとも問題はないと考えるが」
「兄上いいんじゃないかそれぐらい」
「ほら、アルス君もそういってることだし。勝手に決めてしまって悪かったけどローズはいいかい」
「ええ、私の家がそのような悪行をしていたことをそれで許していただけるのならばしっかりとその役目を果たし必ずやルシフ様の帝国の為に尽力いたします」
「そういってることだしね」
「ああ、そうか。...まあ、いいだろう」
これで俺たちは会談を終わらせ、町を散策することができた。
「なあ、なんでローズが来るとまずいんだ。ローズは結構賢いし、強いからいいだろ。それにこのツヴァイの町と敵対する可能性も少ないし。敵の数は少ない方がいいと思うけど」
「確かにそうだが、ローズの性格を見てみろ。あれは物事を知ってても絶対に悪事を許せないタイプだぞ。確かにパトリックは人質の意味も込めているが、こちらの行動を制限する気だろ。何かしようとしてもローズが邪魔をする形になる。たとえそれが、ローズが意図していなくともだ」
なるほどなぁ。
「悪かったですね。邪魔になって」
「えっ、ローズ、準備はいいのか」
「もともとどこに行ってもよいように準備をしてますので。ところで何かすることがなったのでは?」
「ああ、マントを取りにいかなければな」
あのあと屋台の店主から連絡が来たのでマントを引き取ることにしたんだ。どんな形になっているか楽しみだ。




