ボルドンという男
「こちらが、ボルドン様の自室です」
あ、そうだ
「兄上、初めは俺が言うから何も言わないでくれないか。俺が交渉したい」
「まあいいだろう。何かあったら我が話す。ローズ嬢それでいいかな」
「ええ、私はいいですよ」
「ようこそご客人」
「お前がボルドンか」
「そうだこの私こそがボルドン商会の会長、ボルドンである」
こいつは、本当に丸々と太っていてバランスボールと並べていても色を塗ったらわからないんじゃないかというほどだ。何を食ったらそんなに太るんだろうな。
「で、何の用かね。私はこう見えても忙しいのだよ」
「お前が他の商店にいやがらせをしているって色々な商会の奴が行ってるって話を聞いてな」
「それは噂だろう。噂だけで来られては困るのだよ」
「お前の所には誰も来ていないしな。他のところがなにかしらいちゃもんをつけられてるのにきてないだろ」
「その文句を言ったやつも我が商会を相手取ってはまずいということに気づいたのだろう。賢明な判断だと評価してやりたいぐらいだなそいつは」
だよなぁ。そもそもさしたる証拠もないのに捕まえようって魂胆がまちがえてるんだよな。だけどこいつは調子に乗ってぼろだしそうだから、カマかけてみるかね。
「だけどいちゃもんつけてるやつは、ボルドン商会の所属だといってたが」
「な!なに!そのようなことを奴が言うはずがない。あれほど言うなと言ったのに」
「おい、やつとはだれなんだよ」
「お前!謀ったな」
ちょろいな。いままでは下の店員に追い払わせてたのかもしれないが、いざ自分自身が仕掛けられるとここまでわかりやすいとは。自分がやられるとは思ってなかったんだな。
「で、どうなんだ。さっさと吐いた方が身のためだぞ」
「す、すまなかった。ただ、私の息子のザルドが組織に脅されているんだ。そして金を工面しなければいけない。だからその組織の名前はいえない」
くそっ、これでしらをきるつもりか。だけど、ここから引き出せるような言葉がない。
「あっ」
「どうした?」
「ザルドって確かここら辺のトップだった気が」
「なぜそれをって、あなたはローズ様!どうしてここに」
「この二人の見張りです」
「は、はぁ」
そういうとボルドンはぼけっとした顔をさらしたが、いままで以上に口を固く閉ざそうという意思が強くなった気がする。自分の破滅は免れない息子の命を守ろうということか。いい父親だが今の俺たちに厄介だな。そもそもやってることが完璧に黒だから同情の余地はないけど。
「どうせいつか見つかるんだから、さっさと吐けよ」
「なんとしてでも言ってたまるか!我々の一族を私の代で終わらせるわけにはいかぬ!」
「お前の息子が裏組織に入った時点で負けは決まってたんだよ」
「絶対にお前たちは見つけられないぞ」
なかなか口を割らないな。どうすべきか。
「アルス、もう引っ込んでろ」
「兄上なぜだ。俺でも大丈夫だ」
「いや、お前じゃ絶対に口を割らせられない。お前はどうしても正面からしか行こうとしないからな」
なにがお前じゃ割らせられないだ。どうせ、ぼっこぼこにして吐かせるだけだろ。
「ボルドン殿、すまんな。我はルシフだ。我が弟が失礼をした」
「ルシフ、ま、まさか皇帝ルシフか」
「名前だけは便りが来ているか。あなたは息子のために口を固く閉ざしているのだろう。ならば心配ない、我は弟と違いあなたたちをこの町の外に行ってもらい我が領土の方に来てもらおうと思っている」
「それは、私たちを助けていただけるという認識でよろしいのですか」
「自由に取ってもらって構わない」
「まて!兄上、なぜあいつを助けるんだ。助ける必要がないだろ」
「こいつらは今はこちら側に引き込むべきだ」
「これで私たちの一族を存続させられる。この御恩一生忘れません」
「うむ、死ぬまで忘れるなよ。では場所を教えてもらえるか。そうすれば我々は帰ろう」
こうしてボルドンは俺たちにザルドの居場所を知らせ、信頼できる従業員をつれ逃げて行った。
「どうしたアルス。まだ納得できないか」
「ああ、兄上ははじめ店の外装を見たときに憤ってたじゃないか」
「あそこで殺すのは愚策だからな」
「はい?」
「カリンか?ツヴァイの町の方面にギルファムンドとスカルを回らせて、来た奴は全員つぶしてくれ。13,4人ぐらいの集団が来るがそいつらは我々にとって害だからな。ん、関係ない者が来るかもしれない?構わん、たまたまその時点に来たのが運の尽きだ。確かにここの住民は生き返らないが必要な犠牲だ」
「これで満足か?」
兄は歪んだ笑みを浮かべ笑い、ローズは恐れを抱いたのか兄から距離を取っていた。
遅れて申し訳ありません。
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