七度目の正直"正凪のピンチ"
私たち一年生トリオは冷えた体を温めるため保健室に向かった。
弱い鬼火で温めてもらえばいいんじゃないかと思ったが、妖狐たちみんなコントロールが出来ないらしい。
誰か一人でもコントロール出来たらいいのに…と思ったが出来ないことは仕方が無い。
今私たちは保健室に向かって廊下を歩いているわけだが…
「見て、あの子たち」
「どうしたのかしら」
人とすれ違うたびジロジロと見られるのが嫌だった。
私たちは髪が濡れていて肩にタオルを巻いていた。しかも両側にいる男子は美形。目を惹きつけないわけがない。
私は出来るだけタオルで顔を隠しながら保健室へ向かった。
〈コンコン〉
如月くんがノックをすると「はい」と男の人の声がしドアが開いた。
この先生に会うのは初めてだ。私が先生を見ていると先生はニヤリとしたがすぐに驚いた顔をした。
「どうしたんだい!?まぁ、入って入って。温まりなさい」
私たちは保健室の中に入れてもらった。
保健室には温かそうなストーブが置いてあった。
私たちはストーブの前に座った。
すると突然多岐くんが私の耳元に口を寄せて呟いた。
「あいつに気をつけろ」
「えっ?」
私は何のことか聞き返した。
「あいつに泣かされた女は少なくない。影では変態教師と呼…」
「あれ〜?内緒話?何の話をしているのかな?」
多岐くんが小さい声で話していると突然先生が割り込んできた。
私は咄嗟に身構えた。多岐くんの話が本当なら…そう思うと顔が強張った。
「ああ、ごめんね。そっか、そっか。秘密の話なんだ」
そう言って温かいコーヒーを渡してくれた。
「ありがとう…ございます」
私たちはコーヒーを飲んだ。
「ちょっと僕は職員室に用があるから行くね。眠くなったらベットで寝てていいよ。授業サボっちゃえ。ははは」
そう言って笑いながら先生は出て行った。
「眠くって…ふぁ…なんだか眠くなってきた…」
「私も…」
「俺も…」
私たちは眠くなってベットに横になった。
「ちょっとぐらいいいよな…」
「ああ…」
「おやすみ…」
私たちは深い眠りについた。
「ん…」
私は目をそっと開いた。
よく寝たなぁ〜と思った時、目の先に先生の顔があることに気がついた。
私は目を見開いた。
「先生…!もごっ…」
「しーっ。お二人さんが起きちゃうだろ」
私は先生に口を塞がれて喋ろうとしてももごもごとなるだけだった。
今、先生の顔が目の前にある。そして後ろの方に天井が。
私の上に先生が跨いでるんだ。私はそう咄嗟に判断した。
その時多岐くんの言葉が頭に浮かんだ。
ーーあいつに泣かされた女は少なくない。影では変態教師と呼…ーー
私は顔が強張った。先生を睨みつけると先生はニヤリと笑って私のお腹に手を置いた。
ビクッとすると先生は笑った。
「そんな顔しないでくれよ。大丈夫。優しくするさ…」
そう言いながら私の制服に手をかけた。
私は目を瞑った。
(誰か!)