5話 特異体質なのに弱い
俺はそれから魔力が徐々に増えて言って、魔力が増える度に魔力を貯められるように体も強くなっているような気がしたが
「主人は馬車の中に、戦闘は俺らに任せてくれていい」
そう言われるので仕方ないから馬車の中で待つので外のことがあまりわからない
食事の前に素振りをしたりして頑張っているつもりだがランドに言わせればまだまだだった、剣を振るのもひょろひょろとしていてしっかりと振れなかったし皆が守ってくれるおかげで何とかなってるが俺はめっさ弱い、まあ俺自身頑張ってないのにいきなり強くなっても扱いきれないけど
「主人はもっと筋肉をつけたほうがいい馬車を止めてる間は警戒や食事の準備は俺らでやるから、素振りをしていてくれ、まともに振れるようになったら、相手する」
実力で負けてるから仕方ないとはいえ、立場は俺のが上だぞ、って思いながら立場を振りかざすのは格好悪いので出来ない
「いつか見てろよ、ランドより強くなってやる」
負け惜しみだけは言っておこう
「ご飯出来たよ~」とナジャの声がしたのでそのまま飯にした
「またかよ、なんか最近魔物多くないか」
ランドがぼやき
「この国は魔物と10年戦争してるらしいから冒険者も人も少なくなって魔物が暴れ放題なんじゃないか?」
俺が推測を言ってみる
「だからって襲われすぎだ、森になにか居るのか?」
そんな時、森から大きな熊が飛び出してきた、熊というかなんというか化物のようだった
「ガーズリーかこいつが原因か?でもこいつを倒すのは骨だぞ、リリーは魔法でジョンは神聖魔法で援護してくれ」
「アイス達は起こすか?」
「大丈夫だ、すぐに終わらせる」
リリーが火系の魔法をガーズリーの顔の前に出して目くらましの様な感じにしてジョンが横から槌で攻撃を入れて
ガーズリーの気を二人が逸らしている間に、ランドが鋭い突きを放ちガーズリーの心臓を貫いた、簡単に倒したようにも見えるが攻撃を一回でも喰らえば戦闘不能になるような相手だったらしい、攻撃される前に倒すのは至難の技だがそれをランドたちはやってのけた
「なんとかなったな、二人共助かった、それにこの剣のおかげだな」
「ガーズリーなんて初めて倒したよ、俺が止め刺したわけじゃないけど、興奮した」
ジョンのテンションが上がっていた
リリーは普通を装っていたが口元はにやけていた
その後もランド達は何度となく襲ってくる魔物を倒しながら進み、
「こんなに旅って大変だったか?夜も進んでるのに全然途中の村につかねぇ」
ランドがぼやきだした時に森が途切れた、その道の先に村が見えてきた
「やった村だぜ、もちろん休んでいくよな、いい加減安心して寝たい」
ランドは興奮気味に言うので俺も仕方なくこの村で休むことに決めた
「漸く村にたどり着いたな、宿はあるかな、肉は飽きたからな野菜料理が食べたい」
宿に心が向いていた
目の前を歩くおばさんに声を掛けた
「おばちゃん、この村の人?」
「そうだよ、なにか用かい?」
「この村には宿屋あるかい?あと野菜とか果物とか食べ物売ってるとこあるかい?」
「すぐそこで売ってるよ、でも今は野菜が取れなくなってくる時期だからね少し高いよ、宿はその先にあるよ」
「ありがとう、おばちゃんこれ取っておいて」
俺はそう言って、1c投げて渡した御者をしている
「リリーそこで売ってる野菜と果物をあるだけ買ってきてくれ」
と50c渡して買いに行かせた、
「わかったわ、買ってくる」
そう言って、馬車を降りて店で買い物をしてきてくれた
「全部買ってきた」とリリーが帰って来て律儀にお釣り20c返そうとしたので
「買って来てくれたからなそれはそのままリリーにやるよ、好きに使いな
駄賃だとリリーに渡すとランドが
「そんなことなら俺が買いに行ったのに~」
声を高くして言って来た、大男が言うと気持ち悪いことこの上なかった、が気にせずに
「ランドはそのうち俺の指導するからなその時に指導代をやるよ、それよりこのまま村を出て町を目指すぞ」
「宿はここみたいだな久々に酒が飲みたいんだが」
「ランド一応お前は奴隷だからな、お前が人前でそんな行動を取ると俺が奴隷を御せていないと思われるんだからな、エール二杯までだ、それ以上は飲むなよ」
「主人はわかってるね、二杯でもありがたい、ここ1年は酒も飲めなかったからな、2杯でもありがたい」
俺は御者席に顔を出していたが馬車の中に視線を戻し、
「皆村だぞ、今日はこの宿に泊まるから起きてくれ」
全員を起こして宿の中に入っていった
「すみません、7人ですが部屋はありますか?あと馬車を置く場所ありますか?」
「馬車は、オイ、レオ馬車を移動して来い」
俺はナジャを呼んだ
「ナジャ一緒に行って手伝ってやれ」
「宿は四人部屋が2つ空いてるよ、それでいいかい?二部屋で一泊2c40bだがいいかい?」
「ああそれで構わない、食事は今出来るかい?」
俺はもう飯を食って寝て明日早めに出ていこうと思っていた
「ああ出来るよ、準備がさっき終わった」
「じゃあ頼む7人分と酒を頼む」
俺たちは飯を食いながら
「部屋割りは男4人一緒でいいよな、俺はリリーとナジャと同じ部屋だ」
部屋割りは誰も反対せずに終わった
「明日からも馬車で移動するから今日はゆっくり休んでくれ」
野菜が取れなくなるこの村で宿に行っても大した飯が期待できないと思っていたが結構飯はうまかった
次の日朝早く飯を食べてそのまま村を出て行った
「昨日夜寝たから今日はすぐに寝れないから少し話をしよう」
俺がそういうとすぐに
「俺は自己紹介の時に言った事が全てだな、帝国の騎士でこの国に来て馬鹿な貴族の為に奴隷になったそれだけだ、これ以上話すことは特に無いな」
アイスが言うと
「テンローは?」
テンローに聞いてみた
「俺は、村で生活が出来なくなって町に出て冒険者になってカッパーランクまでは結構順調だったんだけどなこの国を助けるなんてこれっぽちも考えてなくてな、酔った勢いで正義感ぶった貴族が戦争に参加しろってギルドでうるさくてな思わず殴っちまってこの有様だ」
「そうだったのか、まあ、これから頑張ろうぜ、ナジャはどんな感じだったんだ?」
「私は普通の冒険者だよ」
ナジャはそれ以上語らなかった、俺がわかるのは普通の冒険者って言葉と飯が美味い事しかわからないな
「そうかもう寝ていいぞ、夜は頼む」
そう言って俺はジョンに話しかけた
「ジョンはどうなんだ?」
「俺か俺は孤児で、冒険者になるのが生活に必要だったんだ、孤児は6人居たんだけど、1人だけ弱くて連れて行けないから、孤児5人で村を旅立ったんだ、最初は順調だったんだけど、だんだんなかなか倒せなくなって言って皆神聖魔法が使えるからチームワークも無くバラバラに戦うのが当たり前で、もっとうまく倒せなくなっていって皆やっていけないって解散して俺は一人でやっていって
途中で神聖魔法が使える奴が欲しいって言われてチームを組んだんだけど依頼失敗した時に俺が最後に入ったこと仲間ってことで簡単に捨てられて借金奴隷になったんだ」
「そうだったのか、じゃあ他の奴らはまだ冒険者してるのか?」
「たぶん」
ジョンはそれ以上は言わなかったので俺もそこで会話を終わらせた
この後も魔物が近づいてきたがガーズリーほどの敵は出てこないが、何度となく魔物が出てきてそれを殺し続けた、もちろん俺じゃなく夜はアイス達が、昼間はランド達が倒していった、俺はその間魔力が増えていって今では魔道具使っても魔力切れを起こすことはなくなった、
夜起きると魔物が襲ってきてたようでテンローとアイスでほとんど倒していた、ナジャは馬車を守ってくれていた、戦闘が終わるのを確認して寝ることにした
こんな毎日ばかり続いて皆結構疲れていた
村で一泊してなかったらやばかったかもしれないな、これだけ魔物が多いなら早くこの国から出て行ったほうがいいのかな、俺が死ぬよこれじゃ
素振りをもそれなりになってきたがランドに言わせるとまだまだだそうだ、魔力の方はリリーに聞いたら普通の人並になったそうだまだまだ、普通の人か、魔物はここ二週間位で100頭は倒している100頭で普通の人ってことは成長が早いのかもしれないな
俺はまだまだ弱いことを自覚しながら成長を確かめて行くことにした
読んでいただき有難うございます