4話 旅は順調?
町出て少しして夜になったので
灯りの魔道具を包んで一箇所だけから光が漏れるようにして馬の前を照らして馬を歩かせた、いくら照らしてるとはいえ暗いので走らせるわけにはいかない
「ランド、リリー、何かあったら呼べよ、あと交代は次ナジャとアイスだ御者は出来ないから馬の休憩と思えばいい」
ランドが御者を出来るので任せていた、ランドとリリーは頷いてそれ以降はずっと前を見ながら周囲を警戒して居た
俺は後ろの警戒だ先に寝かせてる四人でスペースは一杯だから仕方ないんだが椅子を少し大きめに作り二個のベッドのようになって床にも布団を敷いて二人寝ている収納袋にアイテムを入れて空間を広くしているとはいえ
収納袋自体はそのままおいているのでスペースを一人分は取っている、なにせ7人分の収納袋だからな
「後ろは今のところ大丈夫そうだな」
道が広くなっているところに出くわして馬車が止まったのでナジャとアイスを起こして後ろと前の警備をさせた、
「頼むぞアイス馬と馬車を守ってくれ、ナジャ後ろからなにか来たら皆を起こせ、頼んだぞ」
そう言って俺は床に寝た床は少し狭かったが俺とリリーとランドの3人で横になった
「ランド無理お前デカすぎる」
俺がそう言うと、ランドは
「リリーとナジャテンローならなんとかなったかもしれないが、この順番を選んだのは主人だ諦めろ」
「わかったお休み」
しぶしぶそのまま寝ることにした、しぶしぶだぞ、ランドに背中を向けて横向きに寝ることにした、リリーも同じように背中を向けていてギュウギュウになりながら朝まで寝た
その間に、テンローとジョンが御者をして馬を歩かせて進み、アイスは後ろを警戒して居た
朝になり
「おはよう、開けたところで飯にしよう」
と言って皆で朝飯を作ることにした、魔道具は色々あったので簡単に火をつけて肉を焼いていた
「そんな肉積んでたっけ?」
俺が聞くと
「昨日アイスが狼殺した時の肉だよ、狼の肉はあまり美味くないが主人が買った香辛料や塩があるのからそれなりの美味しさにはなると思うよ」
とナジャが教えてくれた
確かに固くて美味しい肉では無かったがいい塩味と香辛料で臭みを少しごまかしていたので十分食べられるものだった、ナジャにはこれからも料理を作ってもらうか
飯も終わって皆で交代で御者をしながら夜あまり寝てない面子は寝ていいと言って順番で寝た、その間にもちょくちょく狼や他の動物達を狩った
「結構獣多いんだな」
御者をしているランドに訪ねてみた
「ここは少し多いかもな、もしかしたら魔物が近くまできているのかもしれない」
「魔物が多いと獣が道に増えるのか?」
「ああ、同じ眷属が駆り出されて近づいてることもあるし、魔物に追い出されてこっちまで来ている可能性もある」
この世界は結構危険だな、奴隷を雇って正解だったな
「じゃあランド達に任せるから警戒だけはしておいてくれ、まだ死にたくないからな」
「俺だってまだ死にたくないですよ、そうだテンローを夜に見張りにください」
俺はランドの言葉に少し考えてから
「今テンローは寝てるからな、このまま寝かせて夜に起こせばずっと起きてられるだろ」
「それなら大丈夫ですね、ついでにナジャとアイスもそのまま寝かせましょう、夜はその三人に任せて昼間をジョンとリリーと俺で見ます、普通の旅じゃ出来ませんが移動中寝れるこの馬車ならできそうです」
ランドがそう言うので俺は「わかったそれで頼む」と言ってこれからのことを考えていた
どうしよう、結構危険だなぁでもこいつらと一緒なら色々大丈夫かもな、俺には何もできないから頑張ってもらうしかないな
馬は休ませながら進んでるし、潰れることもないだろ、次の街に着いたら体鍛えたほうがいいかな
そんなことを考えていると、ランドが声を掛けてきた
「すまん、皆を起こしてくれ、やばそうだ」
かなり真剣なトーンで言われたので皆を起こす
「起きたかランドがなんか感じ取ったらしい気をつけてくれ」
「囲まれてるじゃない」
リリーがなにか気づいたように言った
「リリー魔法か?」
俺はリリーに訪ねた
「そうよ、魔力を探るん魔法なんだけど、獣は微量だからわからないんだけど、少なくとも囲んでるのは魔力を持ってるわよ」
「皆聞いたな、魔物退治をしてもらう、ここを生き延びて街に着いたらタラ腹飯を食わせてやる」
俺の声を聞いたか聞いてないのか馬車が止まって皆外に出た
俺は御者席に行き、馬をなだめることにした、俺にはそれしか出来ないから仕方ない、皆は馬車を囲むように立ち周りを警戒して居た
森から飛び出してきたのは兎だった、それを見たランドが
「ガービットだ、まだまだ居そうだ、ギービットにも気をつけろ」
それが兎の名前か、飛び出してきたガービットをランドが一撃で仕留めて次に備えた、
まだまだいるんだろうなとか考えてると自分の体が変なのに気づいた、リリーもそれに気づいたようでガービットと俺を交互に見ていた、でもなにが変なのかうまく説明出来ない俺は体が軽くなったように感じただけだからだ
その後も皆でガービットとギービットを狩っていった、全部で20羽位襲ってきた皆は難なく仕留めていた、その間にも俺の体はドンドン軽くなっていった
「皆お疲れ様、終わったのか?」
俺が聞いてみるとランドが御者席に戻りながら
「多分これで全部だがこれからまた襲われるかもしれないから移動する」
「ああ、頼む」
そして俺は周りを見渡して
「皆馬車の中に入るときは服を着替えて欲しい、布団に血が付くのは不味い」
そう言って一人ずつ入らせて装備を布団の敷いてないところで取ってもらって服も脱いでもらった
「すまないな、後で馬車を止められる場所で装備に着いた血を取ろう、今は我慢して欲しい」
俺のわがままで悪いが布団を汚されたくない、ナジャとアイスとテンローは着替えたあとそのまま眠った、ジョンは後ろで血を拭き取りながら装備の点検をして居た
「ねえ聞いていい?」と御者席から馬車の中に声を掛けてきたので俺が御者席に顔を出して
「俺も聞きたい、リリー何が見えてた?」
俺も聞きたかった皆が魔物を倒すたびに俺に力が溢れるというか漲るというか体が軽くなっていったからだ
「ラヴォー様には今魔力がある、さっきまでは魔力が無かった、私にはガービットを倒す度に魔力がラヴォー様に流れる感じがした、多分魔物のを殺すとその魔力が吸収出来る特異体質だと思う」
特異体質か、魔力の無い世界から来た反動か?勇者として呼ばれた特殊能力かわからないが使えるのか?
「そうだったのか、じゃあ今の俺には魔力があるのか、そのおかげか、今の俺はすごく体が感じるが、それは俺が強くなったと言うことでいいのか?
「わからない、私にわかるのは魔力が無かったのに今は魔力があるってだけ」
そこでランドが
「面白い主人に拾われたもんだ」
その一言で終わらせた、俺自身もわからないリリーもわからないそのことを見越して終わらせたんだろう
「そうだな俺自身面白いと思ってるからなこれから確かめていくさ、それに今確かめなきゃいけないこともあるしな」
ランドとリリーが確かめる事がわからないのか首をかしげた
「俺の魔力が唯の蓄積なのか俺の魔力になったのかだ、リリーならこの違いがわかるだろ?」
リリーにこう言うと気がついたようだ、俺が魔力を使った時にその魔力に回復するのか、そのまま減ったままなのかでだいぶ違ってくるからだ
「飯の時と暗くなった時に魔道具使うから、リリー確認を頼む」
「わかったわ」
魔力の見えないランドはよくわかってないようだが、リリーはわかったようなので任せた
その日は襲われること無く夜を迎えて魔力が回復することも確かめられた、俺の魔力となっているようだ、魔法を使うたびに最大値が減ることがないことがわかったが
俺は火の魔道具と灯りの魔道具の二個を使うだけで魔力がなくなった、リリーに言わせると子供並の魔力だそうだ、魔物20羽分の魔力はこの程度だったんだな、これから増える事を考えるといきなりすごく増えるよりはいいだろう
そんな感じで昼間はリリーとランドと話ながら進み、夜はアイスとテンローとナジャが起きている間俺は寝ることにした
読んでいただいて有難うございます