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「やっぱりありましたね、ブラックさん。」と生林。
……うぃーん…
自動ドアが開くと同時に、ブラックムーンが口を開く。
「すみません、知人が体調不良でうつ伏せで倒れてしまって…救急車の手配をお願い出来ますか?」
何故かリードするブラックムーン。
「いっ…犬が喋った……!!」
怯える生林とアンジェリー。
「ちょっと待てよ、お前ら!ブラックムーンは犬だけど会った時からずっと喋ってんじゃねえか!!疑問持つタイミングおかしくね!?あ、なんか熱くなっちゃってごめんけど、俺言いたい事その場で言わないと気が済まないタイプだからさ。」
僕が叫ぶとアンジェリーが口を開いた。
「確かに松本の言う通りだわ。だから私も言うわ。この緊急時にメイデンがうつ伏せかどうかなんて、どうでもいいのでは!?ブラックムーンさん、もっと感情のコントロールしていこうよ!!」
…こういう空気は嫌いじゃない。
そもそも、近くに病院なんてあるのかな?と思い、自動ドアの前に立つ。
……うぃーん…
店を出る。
その時………