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ガサガサ…ガサガサ…
茂みから音が聞こえる。
どんどん近づいてくる。
マジで恐い。
--ガサッ!!
姿を現したのは、体長1メートルはあろうかという狼。
かなりピンチ。
流れる冷や汗、近づいてくる獣。
先頭にいる生林は震えてそこから動けないでいる。
獣の口が大きく開く。
「この辺でコンビニありませんか?」
獣は尋ねた。生林が答えた。
「森を抜けたらあるんじゃないですか?」
真面目だな、と思ったが
生林はそんな奴だ。
「お名前は…?なんて呼べばいいですか?」
アンジェリーが聞く。
意外と天然なんだなと初めて知った。
獣が答える。
「ブラックムーン」
ここまで来たら。と思い、僕は勇気を出して聞いた。
「出身は?」
「ロシアだ。」
……悪ノリした自分に反省した。