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短編:詩&エッセイ

心と身体が別々ならば。

作者: 尖角

>私とあなたは繋がっていた。


>心は一つ。身体も一つ。二人で一つの関係だった。


>だけど、今は“身体は一つ”“心は二つ”という関係。


>二人の間には、二人の心には大きな壁が出来てしまった。


>想いも夢も、愛も気持ちも、軌跡も未来もバラバラで。











 ある時から、携帯電話が鳴り止まない。


 あなたが私を求めて電話してくるから。


 もう、あなたからの着信を見ても、辛くしか感じられない。


 だけど、私は―――――。 きっと、私は―――――。











>変わらないものなんて、この世にはありはしない。


>時には大波、愛は大きく。時には小波、愛は小さく。


>ベッドは今も尚、揺れたまま。 悲しく、寂しく、愛を求めて。


>私の心は今も尚、揺れたまま。 好き、嫌い、やっぱり好きで。




>ベッドが濡れるたび、私の心も濡れていく。


>涙という大雨。いつしか川となり、海となって私を満たしていく。


>あなたのいない、究極の寂しさ。いつしか大穴は大海に変わっていった。











 あなたのいない毎日が、あなたからかかってくる電話によって埋まっていく。


 私の鳴く声。静かな夜に響き渡る。 私の泣く声。あなたの心には届かない。











>もし人間という生き物が、


>心と身体が別々の生き物だったとしたら、


>こんなにも私が苦労することはなかったのかな?


>身体はあなたに満たされて、心はあなたに見捨てられ、


>そんな毎日に耐えられない私は、『もし、別々だったら・・・』と。
















 それならば、別々ならば、諦めが付くのかもしれない。


 心と身体が一緒だから、どちらかが欠けてはいけないんだ。


 別々ならば、個別のモノならば、あなたなんか気にしなくて済むのに。











>だけど、現実はそうもうまくは行ってくれない。











 また、今日も部屋中に電話が鳴り響いている。


 画面の表示には、忘れることのできないあなたの名前。


 その電話を取るか否かは、今日の私の気分次第・・・。

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