心と身体が別々ならば。
>私とあなたは繋がっていた。
>心は一つ。身体も一つ。二人で一つの関係だった。
>だけど、今は“身体は一つ”“心は二つ”という関係。
>二人の間には、二人の心には大きな壁が出来てしまった。
>想いも夢も、愛も気持ちも、軌跡も未来もバラバラで。
ある時から、携帯電話が鳴り止まない。
あなたが私を求めて電話してくるから。
もう、あなたからの着信を見ても、辛くしか感じられない。
だけど、私は―――――。 きっと、私は―――――。
>変わらないものなんて、この世にはありはしない。
>時には大波、愛は大きく。時には小波、愛は小さく。
>ベッドは今も尚、揺れたまま。 悲しく、寂しく、愛を求めて。
>私の心は今も尚、揺れたまま。 好き、嫌い、やっぱり好きで。
>ベッドが濡れるたび、私の心も濡れていく。
>涙という大雨。いつしか川となり、海となって私を満たしていく。
>あなたのいない、究極の寂しさ。いつしか大穴は大海に変わっていった。
あなたのいない毎日が、あなたからかかってくる電話によって埋まっていく。
私の鳴く声。静かな夜に響き渡る。 私の泣く声。あなたの心には届かない。
>もし人間という生き物が、
>心と身体が別々の生き物だったとしたら、
>こんなにも私が苦労することはなかったのかな?
>身体はあなたに満たされて、心はあなたに見捨てられ、
>そんな毎日に耐えられない私は、『もし、別々だったら・・・』と。
それならば、別々ならば、諦めが付くのかもしれない。
心と身体が一緒だから、どちらかが欠けてはいけないんだ。
別々ならば、個別のモノならば、あなたなんか気にしなくて済むのに。
>だけど、現実はそうもうまくは行ってくれない。
また、今日も部屋中に電話が鳴り響いている。
画面の表示には、忘れることのできないあなたの名前。
その電話を取るか否かは、今日の私の気分次第・・・。