第7話 ルイは依頼をクリアした
久々の投稿です。なんとか出来た。
間空きすぎて正直不安でしたけど^^;
それではどうぞ
一旦ホームに戻ってから私たちはさっそく依頼をこなすため、村はずれにある森へやってきた。
村からこんな近い場所にウルフが出るという森があるのかと思うと背筋が寒くなるものがあるが、その辺の対応はきっと誰かがきちんとやってるのだろう、きっと!(涙目)
「ところでシュリ? ホームに戻って何取ってきたの?」
「ん? ああ。これだよ」
そう言ってシュリが見せてくれたのは工具一式。
「これって何に使うの?」
「何ってそりゃ……」
「シュリ、それ今はまだルイに言わないほうがいいかも」
アユに止められて何か考えるように私のことをじっと見つめて、シュリは溜息一つ。
「だな」
「なんでよー!! 教えてくれたっていいじゃん!」
「どーせすぐ後で知ることになるんだから。ほら、駄々こねてないでさっさと行くよ」
「ルイ? 夕方暗くなってからもウルフ狩りたい?」
「行かせていただきます」
アユに脅されて私はしぶしぶ歩き出す。
自分から提案した依頼だけど、ぶっちゃけ私は怖い!
しかしそんな私なんてお構いなしにずかずかと森の中へと進んでいくアユとシュリ。……ってこんな所に私を置いてくなー!!
そんなこんなで私たちは森へ足を踏み入れたのだった。
「うー……。暗いー、虫多いー、かえろーよー」
「依頼を受けたのはお前だろうが。ほら、さっさと歩く」
最初は意気込んで先頭を歩いていた私だったが、気がつけば最後尾にいた。なんでこんなに鬱蒼とした森の中なのにそんなサクサク歩いて行けるんだよ。
「しかし、確かに暗いよなぁ。昼間とは思えな……」
「シッ!」
アユの警告で一気に緊張が高まる。各自ゆっくりと音をたてないように得物を取り出す。
……ん、あれ?
「シュリの武器って鉄砲だったの? いーなーかっこいいなー」
「わ、ばか、お前声大きい」
「へ?」
アユが警告したということは当然そこにウルフがいるというわけで、私がそこそこ大きい声を出したら一斉にウルフたちがこっちを見た……ってええ!?
「なんでこっち見てるのよー!!」
「お前が大きい声出したからだろ、ばか!!」
私がシュリに頭をはたかれている間に、アユは走り出していた。それを見たシュリも走り出した。よし私も!!
「ルイ様すぺしゃるアターッ……ふぎゃ!?」
「お前はそこを動くな!!」
だからって銃を足元に撃つのは危険だと思います!!
「って何これ、地面がジュウジュウいってる……」
「あ、ルイ、それ薬品だから触るなよ」
そ、そんな危険なものをこちらに撃ったのですか……。微妙に一歩下がる。
「っと、一匹終わり。次はっと……って、痛っ」
「アユどうした!?」
慌ててアユの方に目をやると、左肩を抑えたアユがウルフに回し蹴りを叩き込んでいるところだった。その足元にはすでに息絶えたウルフ。
「あー、もう背後とられた。不覚。ルイ、白魔なんだから回復系の魔法使えるよね?」
「あ、うん。ちょっと待って」
意識をアユの左肩に向ける。イメージするのは温かな癒しの手。
「……我が求めし癒しの手、持つは大地の守り手なり」
「……ルイが難しいこと言ってる。珍しい」
「な、何よ! 私だって白魔道士なんだからね!!」
「うん、おかげで助かった。さんきゅ!」
次の瞬間にはもうナイフ投げてるよアユは。あんなもの投げてよく外さないよね。私だったら……考えたくない。
「これで最後!」
いつの間にかアユとシュリは2人で5匹ものウルフを倒してしまったらしい。私何にもしてない……。
「で、シュリ、これどうするの? 役所に持ってけばいいの?」
「こんなの重くて3人じゃ持ってけないだろ。だからこれ」
ごそごそとシュリが取り出したのは工具。ま、まさか……
「あー、アユって手先器用な方?」
「うん、まあ、一応」
「じゃ、手伝って。はい、これ道具」
そして黙々とウルフの皮を剥いでいく少女二人。なかなかシュールだよ、この絵面!!
「わわわ、う、ウルフたちが……」
「うっさい、無理してやれとは言わないから少し黙っとれ」
―――数十分後―――
「おし、終わり。ルイー、終わったよ」
「ウルフが、ウルフがぁ……」
「あーもう分かったから泣くな。ほら、暗くなる前に帰るよ」
「やっぱりこうなったか。一応そういう職種の人もいるけど、自分でやった方が安上がりだからなぁ」
「ま、そのうち慣れるでしょ。ほらルイ、立って」
私は半ばアユとシュリに引きずられるように村へと戻ってきた。そのままその足で役所へと向かう。
「郁哉さんいる?」
「はい。シュリ様ですか。納品ですね? 少々お待ちください」
「やっぱり郁哉さんだと話が早くて助かる」
そのまま待つこと数分。私もだんだん落ち着いてきた。うん、お仕事なんだから仕方ない。(涙目)
「お待たせしました。それでは納品物の方を確認させていただきます」
私たちが差し出したウルフの皮を丁寧に見ていく郁哉さん。この人鑑定も出来るのかなぁ。
「確か皮は3枚のはずでしたが?」
「たまたま5匹と遭遇したからそのままとってきた。残りは売ることも可能?」
「承知しました。残りの2枚は依頼とは別に売りに出しておきます。売りに出した方の料金は売れてからになりますが問題ありませんか?」
「分かった」
「それでは後ほどお渡しいたします。初依頼、お疲れさまでした」
そう言ってにっこりと笑う郁哉さん。終わり? これで終わりなの??
「やったー!! 初依頼完了!!」
「あんたはほとんど何もしてないでしょうが」
アユから冷静な突っ込みが入ったが、これにて私たちの初依頼は無事クリアしたのだった。