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第14話 ハロウィンパーティー! pert 1

お待たせしました、ハロウィン編です!

死ぬ気で書き上げました(o_ _)o


どうぞお楽しみください♪

「し、死ぬ……」

「ちょっとそんなぼろぼろで一体何があったの!?」


 私は慌てて回復魔法を発動させる。


「あれ運んできた」


 そう言ってケイスケが指差すのはリアカーに積まれた大量の食材たち。というか一体あの量何に使うの!?


「実はな……」


 ケイスケの話によると事の始まりは小一時間ほど前……




「みんなちょっといいかしら」

「おつかいですか?」


 真っ先に反応したのはユウガ。モップがけしていた手を止めて問いかける。


「ええ、そうよ。男の子たちに頼みたいんだけどいいかしら」

「構いません」


 おいおい、ユウガ君。勝手に了承すんじゃねえよ。まあ、オレも特に異論はないから黙って話に耳を傾ける。


「これが買い物リストよ。お店の人に渡せば用意してもらえると思うわ」

「了解。おいハルト、行くぞ」

「え、僕も?」


 オレはつい数日前フラッとやって来てそのまま居座った双子の姉弟の弟のほうに声をかけた。居座るからにはこき使ってやんねーと。


「そうね……4人のほうがいいかもしれないわね」


 サユリさんの言葉にオレたち男4人は嫌な予感がして顔を引き攣らせた。


「と、とりあえず早いとこ行ってくる」

「いってらっしゃーい」


 優雅に紅茶を飲みながらひらひらと手を振るミウとかいう双子姉。軽く殺意を覚えながらオレは店を出る。

 通りに出てからメモに目を落とすと、どうやらおつかいとやらは全て八百屋で済むらしい。


「八百屋なのに4人も必要か?」

「いや、サユリさんなら侮れない」


 ユウガの不吉な予感は辛くも当たる。

 八百屋に着いて親父さんにメモを渡す。ざっと目を通した親父さんがオレたちに視線を戻して一言。


「お前ら、裏にあるリアカー持ってこい」




「……つーわけで、この量の野菜だのなんだのを運ばされたってわけ」

「あはは。体力ないなー」

「なんならルイ、試しにあれ引いてみるか?」

「全力で遠慮する」


 疲労程度の回復なら無詠唱でいける。私は順番に回復魔法をかけていく。


「あれ、チハヤはあんまり疲れてなさそうだね」

「俺があれごときでへたれるわけないだろ」

「チハヤは魔法使わないときは鉄パイプとかメイスとか振り回してるからね。相当な馬鹿力だよ」

「馬鹿力言うな」


 ユウガさんが笑いながら教えてくれる。


「あら、もう帰ってきたの。ありがとう、助かったわ。私1人じゃ運べなかったし」

「でしょうね」


 男子4人が乾いた笑みを浮かべている。


「ところであの量の食材、一体何に使うんですか?」


 ハルトの至極まっとうな疑問に、サユリさんは簡潔に一言。


「来週からハロウィンだもの♪」


 あー、もうそんな季節か。私たちは一様に納得顔になった。ただし例外が2人。


「ハロウィン? それが一体何の関係があるんです?」

「ミウ様とハルト様はこの町の習慣をご存知ありませんでしたか。この町ではハロウィンの前日と当日の2日間、盛大なお祭りを開催するんです。仮装をしたり、家々を飾り立てたりします。大広場にステージを作って1日目はミスコン、2日目は有志のパフォーマンスを行います。そこそこ有名なので遠方からもお客様がいらっしゃることもあり、とても賑やかなんですよ」


 おー。思わず全員で拍手。なんと素晴らしい説明。さすがイクヤさんだね!


「というわけで材料も揃ったし、今日から準備よ!!」

「おー!!」


 私とケイスケはノリノリで、その他は苦笑しながらハロウィンに向けて怒涛の準備が始まった。




 そんなこんなで当日である。準備のほうはまあ、いろいろあったけど割愛しよう。思い出したくもないうわああああああああああああああ。


「おふぁよー」


 私が眠い目をこすりながら四精亭のドアをくぐると、オレンジや黒、紫といったハロウィンカラーで飾られた店内が目に入った。ああ、これを仕上げるために昨日は徹夜だったんだっけ……。


「おはよう……」


 さすがにみんなも眠そうだ。チハヤなんか隠しもせずに大きなあくびをしてるし。


「みんなおはよう! さあ、早く着替えて!!」


 朝からパワフル、にっこりスマイル炸裂中のサユリさんに急きたてられ、私たちは引き攣り笑いを浮かべながら控室へと向かった。


 今回仮装用の衣装は全てサユリさんの手作りだ。当日まで内緒ということで自分のもの以外は誰がどんな仮装をするのか全く分からない。私はさっきまでの眠気はなんのその、わくわくしながら自分の衣装に袖を通す。


「じゃーん!! 見てみて!!」

「無難」

「可もなく不可もなく」

「インパクトがないわ」

「似合うよ」


 そう言ってくれるのはユウガだけだよみんなのバカー!!


 サユリさんが私用に用意してくれたのは、バルーンスカートが可愛らしい、とんがり帽子がトレードマークの魔女っ子服だ。ボーダーのニーソを重ねてストラップシューズを履いている。


 対するアユとシュリは同じ魔女服だが少々趣が違う。


 アユはミニスカに私と同じボーダーニーソ。背中にはちょこんと小さなコウモリの羽と、頭には三角形のデビルを連想させる耳がついている。


 シュリはロング丈のワンピース。イメージは大人の魔女。黒魔女さんだよもう。肩には真っ黒のマントを羽織っている。


「あー、もうみんな可愛い!! 私いい仕事したわ」


 そういうサユリさんもばっちり仮装している。水色のミニ丈ワンピに白いエプロンを重ねて白のニーソを穿いている。いわゆるアリスちゃんである。


 イクヤさんは普段の格好とあんまり変わらないような気もするけど、頭にはちゃんとうさ耳と片眼鏡をかけている。


「オレたちも出来たぞ」


 そう言って部屋に入ってきたのはフランケンシュタインとヴァンパイアとワーウルフ。


「!? きゃーーーーー!!」

「ルイ落ち着いて! オレたちだから!!」


 ……あ、なんだ。三バカか。


 ケイスケはなんとご丁寧に魔法で継ぎはぎをつけているらしい。どうりで本物のフランケンシュタインと見間違えるわけだ。


 ユウガも魔法で八重歯をちょこんと見せている。少し着崩した白シャツに裾がボロボロのいかにもな黒いマント。爪まで黒く塗っている。


「うわー、嫌味なイケメン」

「あざといわー」

「違うから」

「あれ? チハヤはいつもの服装だね」

「耳としっぽだけ」


 そう言ってチハヤは耳としっぽを見せる。いくらワーウルフって言っても手抜きすぎじゃね。


「私たちも終りましたわ」


 最後に部屋に入ってきたのは愛らしい双子の姉弟。


 ミウは紫の濃淡で縞模様を作ったネコ耳としっぽ。いわゆるチェシャ猫。ぴったりとした黒いシャツとショートパンツは体のラインを綺麗に見せている。スタイル良くないと着れないよね。……自分の体見下ろしてちょっと悲しくなった。


 ハルトはというと丸い耳を頭にちょこんとのせ、細く長い尻尾がすらりと伸びている。ちょっとゆったりめのグレーの服を着ている。


「これで全員そろったわね。さあ、今年のハロウィンも気張るわよ!!」

「おー!!」

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