第60話 戦局の転機
尾張の平原での戦いは限界に達していた。
七条久貞の盾は民を守るために耐え続けるが、戦局は膠着状態に陥りつつある。
そこに、新たな策と予期せぬ変化が戦場を揺るがす。
血と泥に覆われた尾張の平原に、静かな沈黙が訪れる瞬間があった。
久貞は高台から戦況を見渡し、増援の安土軍が再編される様子を確認する。
「殿……敵が戦線を一度引いています。どうやら策略のようです。」
真澄が息を切らして報告する。
久貞は眉をひそめ、短刀を握り直す。
「よし、この好機を利用する。右翼から小部隊を差し向け、敵の側面を突け。」
兵たちは疲労に喘ぎながらも、久貞の指示に従い配置を整える。
民も恐怖に震えながら後方で支え、盾の列は再び結束する。
「我らの盾は民を守るためにある!」
久貞の声が戦場に響き、兵たちは士気を取り戻す。
戦場の中央で、赤甲冑の安土将と久貞が対峙する。
久貞の指示で、右翼部隊が側面から突入し、敵の増援を分断する。
槍と矢、火花が交錯し、戦場は再び混沌の様相を呈する。
久貞は冷静に状況を見極め、戦線を維持するために指示を飛ばす。
「恐れるな。盾は理念と民を守るための壁だ。」
その言葉に兵も民も応え、戦局に小さな変化が生まれる。
夕暮れの光が赤く染まる平原で、七条の盾は揺るがず、民を守り続けた。
膠着状態だった戦局に、久貞の作戦が新たな息吹をもたらす。
戦局の転機は、七条久貞の作戦によって生まれた。
膠着していた戦場が少しずつ動き出し、次回、第61話「裂けた戦線」では、七条の盾が新たな危機に直面する。




